1000系・1200系/1030系・1230系

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1000系
全車特別車

1000・1200系
一部特別車A編成

1000・1200系
一部特別車B編成

1030・1230系

1000系は1988年に登場した特急用の車両である。当時特急として使用されていた7000系白帯車の置き換え用として、1997年に4連21編成が製造された。また1991年からは本線特急の一部指定席編成を作るに当たり登場した一般席車の1200系についても解説する。7500系の機器を流用した1030・1230系については同系のページで解説している。

■基本仕様
1000系・1200系とも車体は普通鋼製、1000系は両先頭車の前面を8800系「パノラマDX」と同様に1階を運転室、2階を客室として前面展望を確保。車体長は基本的に19m級であるが、1000系の先頭車は20m級である。塗装は白を基調とし、幕板と腰板に赤の帯を入れている。前照灯は前照灯とLEDの標識灯・尾灯に加えてフォグランプを横一列に設置、中央部に「パノラマsuper」の電照式愛称表示を設置している。側窓は全て固定式、角を無くした独特の形状で、1000系では基本的に座席2列で1枚、1200系では扉間2枚・車端1枚としている。
車内は1000系では座席を回転式リクライニングシートとし、1000系はモ1050に車掌室を、モ1150に便洗面所を設置している。1200系の座席は転換クロスシートとし、扉横のスペースを多く取ったほか、座席と扉周りとの仕切りには補助座席を設置。3号車(指定席車の次の車両)には指定席車側に無い車掌室か便洗面所のいずれかを設置している。なお両形式とも扉上にはLED式の情報案内表示機を設置している。
いずれも詳しくは当サイト「trainseat.net」で紹介している(1000系1200系)ので、併せてご覧いただきたい。

機器類は当時増備されていたSR車5700系や通勤車6500系と同等で、制御装置はGTO界磁チョッパ制御、主電動機は直流複巻式、台車はSUミンデン式であったが、1200系および1000系1994年以降製造車はボルスタレス式に変更されている。

■車両の動きと運用の変遷
デビューした1988年には1000系4連9編成を投入、主に名古屋本線の特急で運用した。翌1989年には2次車として3編成を投入、また1990年には当初から120km/h運転に対応した4編成を投入している。なお1990年秋のダイヤ改正では「特急」と「高速」が一本化され、名古屋本線に一部指定席の特急が誕生。一部指定席の特急の指定席側は本形式のほか7000・7700系白帯車、一般席車には2連や4連のSR車が幅広く用いられた。
1991年からは一部指定席の特急を1本の編成にまとめるべく1200系が登場。1000系1013F~1016Fを半分に分割、岐阜方2両は方向転換の上1200系と併結、6連8編成とした。このとき一般席車の増結用として1800系が登場している。翌1992年には一部指定席特急を増強するため1011F・1012Fも同様に一部指定席の編成としたほか、7500系の機器を流用した1030・1230系と増結用1850系も登場した。同年登場の1200・1230系では運転台直後に車椅子スペースを設置している。
1994年には1000系4連3編成が増備されたが、このグループ以降は台車をボルスタレス式に変更している。1997年にも2編成が増備され、1000系は4連15編成、1000・1200系は6連12編成、1030・1230系は6連4編成の陣容となった。(この後1999年に「指定席車」は「特別車」に、「一般席車」は「一般車」に変更) 2002年に1030・1230系の1本が事故に遭い特別車側が廃車された。

一部特別車の編成は2005年1月のダイヤ改正まで名古屋本線以外の運用はほぼ皆無であったが、一部特別車特急の運用範囲が拡大されたため常滑線・空港線にも足を延ばすようになった。更に「ミュースカイ以外すべての特急を一部特別車にする」という方針の下、2007年6月の改正では犬山線・河和線・広見線・知多新線にも一部特別車特急が新設され入線するようになった。さらに2008年6月の改正では西尾線特急も1日1往復誕生。
一方全車特別車の編成は2007年夏改正で運用範囲が縮小したが、2008年夏改正では西尾線特急が、同年冬改正で知多新線特急がほぼ全廃となったことで運用が消滅。主要機器は2008年登場の通勤車5000系に流用されている。

■1030・1230系の廃車と1000・1200系特別整備
1030・1230系の廃車は前述の事故廃車があったが、制御装置や主電動機の老朽化が著しいため2015年からは2200系の増備による廃車が発生している。一方1000・1200系はこの先も当分使用するため、特別整備を開始した。外装は塗装を大きく変更、赤を基調に窓部分を白、窓枠は黒とした。車内は特別車では座席の取り換えと便洗面所の改装、一般車ではモケットや床材の張り替えや3号車豊橋方のロングシート化・車椅子スペース設置などが行われた。(詳細はこちら→1000系1200系)同年度からの4年で12編成に施工する模様。

■現在の運用
本線を中心に名鉄特急の多くの系統で使用されているが、常滑線太田川以南と空港線、豊川線には代走を除いて入線しない。

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最終更新:2022/12/3

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