1000系は2013年に登場した神宝線向けの通勤型車両である。2006年登場の9000系に引き続いて日立製作所「A-train」を採用している。なお阪急及び前身の新京阪には1000形を名乗る車両が存在したが、ここでは特記せぬ限りこれらは考えないものとする。
【車体と機器類】
車体は9000系に引き続き日立製作所「A-train」を採用したアルミ車体だが、前面は9000系のような後退角を無くし、また2000系以来長らく前面を飾っていた銀色の幌枠が廃されたためその印象は大きく異なる(因みにこの幌枠が無いのは旧1000系列以来である)。また側面も窓の天地寸法が小さくなり、扉間の窓が2分割から3分割に、車端の窓も2分割になった。この窓は9000系と同様に連続風に仕立てられている。
車内も9000系に準じた配置であるが、阪急としては初めて大型袖仕切りとスタンションポールを採用している。また情報案内装置は9000系に引き続いて液晶式だが、9000系の2枚配置に対して1000系では32インチハーフサイズの大型液晶1枚として使用している。停車駅案内など横長の画面が必要になる際は全画面表示とし、駅間で広告を流す場合などは画面を区切って使用している。
主電動機には阪急で初めてPMSM(全閉自冷式永久磁石同期電動機)を採用した。制御装置はIGBT-VVVFだが、PMSMでは各主電動機を個別制御する必要があり従来通りにすると装置が大型化するため1群4個モーター駆動×2群制御インバーター駆動としている。台車は9000系に引き続きボルスタ付モノリンク台車のFS579M/Tである。
【現況】
2013年11月末に神戸線向けに1000Fが登場、年内には宝塚線に1001Fも登場した。2021年夏現在、神戸線に10編成、宝塚線に10編成が在籍する。神戸線は平日朝に増解結の絡む運用が多いことから、115km/h運転対応車にも関わらず5000系などと同じ普通運用が中心となっていたが、2016年春のダイヤ改正で増解結の絡む運用が単純化され運用の場を広げている。一方の宝塚線所属車は各種別に使用され、能勢電鉄直通に対応しているため2015年3月の改正から「日生エクスプレス」での使用も開始している。
最終更新:2023/1/7