5001形

 5001形は、1977年に登場した普通用車両(ジェットカー)である。直角カルダン駆動を用いた初期のジェットカーを置き換えるため、また登場時僅か4連1編成しか存在しなかった普通電車の冷房化を推進するために製造された。

 

【車体・車内】

 車体は同時期に製造された3801・3901形(後の8901形や7890形)と同じ前面貫通型、3扉ロングシートの構成で、塗装はジェットカー標準のクリームとウルトラマリンブルーのツートンである。増備途上の変更点として、従来側面と同様の構造で開閉可能だった妻窓の片面(貫通扉の戸袋が無い側)が5010F以降は固定化されている。

【主要機器】

制御装置は抵抗制御で従来車と変わらないが、主電動機は従来のジェットカーは75kWだったものが90kWに増強されている。冷房装置は急行車と同じ分散式のものを集電装置が無い神戸寄り先頭車には7台、集電装置がある大阪寄り先頭車には6台設置している。台車はジェットカーでは5101・5201形以来となる空気ばね式のFS-391Aを履く。なお本形式の置換対象となった5101・5201形では1974年から台車・主電動機・駆動装置の換装を計16両に対し実施しており、5017F以降の16両は廃車発生品を流用している。

 

【増備と変遷】

 1977年春に2連2編成が登場、1981年の初めまでに16編成が製造され初代5001形・5101形・5201形を廃車した。1987年までは夜間および日中西大阪線で2連運用が存在したほか、1979年までは日中~夕方にかけ3連運用も存在し、日常的に他形式と併結して運用されていた。ところが1987年にすべての普通電車が4連化されると、翌年から本形式2編成を組み合わせ4両固定編成化にする改造が実施され4連8編成に改められた。この際中間に位置する乗務員室は撤去され乗務員室扉も廃止、座席を延長した。また前面・側面とも行先表示器を設置、使用しない前面幌は撤去している。1994年からは車椅子スペースの設置などを実施した。

 2009年に西大阪線(→阪神なんば線)の近鉄線への直通が開始されたが、本形式を含めたジェットカーは直通開始前に同線から撤退。また2006年から設定された山陽電鉄東須磨までの運用も同年に廃止されている。その後は本線および神戸高速線高速神戸(一部新開地まで)の普通電車として使用されていたが、5700系の増備に伴い2021年から廃車が発生しており現在は4連4編成が活躍している。

 

5001

5001F

5005
2022年6月に廃車

5005F

5009
2021年5月に廃車

5009F

5013

5013F

5017

5017F

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2022年6月に廃車

5021F

5025

5025F

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2021年6月に廃車

5029F

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最終更新:2023/8/5

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