阪神5311形|編成別写真集


5311形

5311形は、1968年に登場した普通用車両「ジェットカー」である。1両単位で走れるジェットカーが不足気味だったため、前年から製造された5261形をベースに4両が製造された。

車体は5261形に準じて3扉・ロングシートであるが、同じころに製造された赤胴車の7801・7901形1次車から7861・7961形での変更を反映して前面の雨樋を埋め込んでいる。単車走行可能と言っても乗務員室は片方のみの設置で、奇偶の組み合わせで2両編成として使用できる。機器類のうち主電動機や台車などは5261形と同一だが、制御装置は単車走行を考慮したものを装備。パンタグラフは各車とも神戸方に設置している。

1980年代に入ると冷房付「ジェットカー」5001形の増備が進んだほか、5261形も冷房の設置が進んだ。この頃すでに1両単位での運用は消滅していたことから、1980年から翌年にかけ冷房化に併せて制御装置を回生ブレーキを使用できる電機子チョッパ制御に変更する改造を実施。2両で1ユニットとしたため、単車走行は不可能になった。結果が良好だったため、1981年からは電機子チョッパ制御の「ジェットカー」5131・5331形を製造している。

その後は他形式に混じって2両単位で使用されていたが、1987年の普通全列車4連化に伴い4両しかない本形式は1編成にまとめられた。阪神大震災での廃車は無かったが、それに伴う置き換え計画の変更で5311-5312の2両が1999年に廃車。
残る2両は5131形の余った2両と組み合わせて4連で使用されたが、5311形の老朽化が進行したため2010年に5550系に置き換えられ廃車となった。なお本形式は阪神最後の行先表示機を設置しない車両であり、併結する5131形も幕は「普通」を表示し方向板を併用していた。

 

5314

(5143-5144)+
5313-5314

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