9300系

9300系は、2001年に登場した急行用車両である。老朽車の置き換えと共に、同年のダイヤ改正で増発される「直通特急」用車両を増強すべく製造された。

 

【車体】

 車体は8000系8233F以降や5500系をベースとした鋼製であるが、車体色を上半分オレンジ・下半分白の新しい塗装とした点が特徴である。前面は大きめの後退角を持たせてスピード感を持たせたほか、扉は長らく同社標準であった1400mmから標準の1300mmになっている。
 車内では山陽電鉄に直通する長距離運用を考慮し、中間4両の扉間に転換クロスシートを設置した。同社は長らくロングシート車のみを保有しており、クロスシート車は3011形がロングシート化されて以来37年ぶりのこととなる。

 

【主要機器】

 機器構成は9000系と概ね同等で、中間車を全て電動車とした4M2Tの構成である。制御装置はIGBT素子のVVVFインバーターを阪神では初採用、主電動機は出力130kWで9000系と同一品を用いる。パンタグラフは当初下枠交差式を搭載していたが、2013年以降順次シングルアーム式に交換されている(各編成の写真の内9505Fは下枠交差式時代のもの)。

 

【増備と変遷】

2001年に1編成、2002年に2編成が製造されたが、目的であった老朽車(3000系)の置き換えは3編成目で達成したことからそれ以上の増備は行われなかった。なお2002年から開始された8000系のリニューアルは、車体塗装や車内の仕様を本形式に似せたものとなっている。因みに本形式製造後長らく阪神の電車を製造していた武庫川車輌が解散したため、結果的に同社で製造された最後の阪神電車ともなっている。

現在は阪神本線の急行系種別および山陽電鉄に直通する特急・直通特急に充当される。

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最終更新:2022/8/28

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