15400系
15400系は、2011年に登場した近鉄系の旅行会社「クラブツーリズム」のツアー専用車両である。特急車12200系から2連2本が改造された。列車名称は公募により「かぎろひ」とした。電算略号(編成番号)はPN5*。
種車の12200系は1969年から1977年までに製造された特急用車両であるが、新型車両の登場で廃車が進行しており、また一部は団体用の15200系「あおぞらII」に改造されている。15400系の種車となったのは1971年製の12241Fと12242Fで、いずれも1993年と2006年に内装のリニューアルを行っている。車番は制御電動車がモ12200からモ15400に、制御付随車がク12300からク15300となっている。
外観はこれまでの橙色と紺から濃緑に金の帯に変更されたが、これはクラブツーリズムの観光バス「ロイヤルクルーザー四季の華」と同じ塗装である。また、車体側面中央の裾板部や扉横などにクラブツーリズムのロゴを貼り付けている。前面の行先表示部分も当初はクラブツーリズムのロゴだったが、運用開始から暫くして「かぎろひ」のものに変更された。
車内は2006年にリニューアルを行っているため大きな変更はないが、定員をバスツアーに合わせて1両当たり46～48席とした。床をカーペット敷きに、照明も電球色のものとして上質感を演出している。座席を撤去した部分には荷物置き場を設けたが、これは撤去することでイベントスペースとしても使用できる。モ15400のイベントスペースにはビールサーバーやシンクなどを設置している。同スペースにはイベント用放送装置も設置しており、従来の放送回路とは別のスピーカーを設置している。このほかデッキの化粧板や床敷物を取り替え、トイレは全て洋式として温水洗浄便座も設置した。
2011年12月中旬に試乗会を実施、同月23日からは運用を開始した。各方面から伊勢志摩に向かうツアーのほか、車内でイベントを行うツアーなどにも使用されている。基本的には単独で使用されるが、他の団体と行程が重複した場合などは他の団体用車両と併結して運用されることもある。
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