21020系

21020系は、2003年に登場した名阪ノンストップ特急「アーバンライナー」用の車両である。21000系をベースとしながらも、「アーバンライナー」登場後の情勢の変化や技術の進歩に対応した設計となっている。電算記号(編成番号)はUL2*

 本形式の登場は、登場から15年が経過する21000系の更新工事の計画に端を発する。21000系を工事している間は当然代わりの車両が必要となるが、通常の特急車を使用してはイメージダウンに繋がりかねないため、抜けた穴を補う形で新車を製造することとなったのである。21000系のリニューアル及び新車の開発にあたって利用者に対する調査を行ったところ、禁煙席を希望する声が大きいこと、女性利用者が想定より多かったこと、平日でもビジネス以外の利用が多いことなどが判明した。21000系の改造及び21020系の新造にはこれらの調査結果が反映された。

 車体は21000系をベースとしつつも前面をブラックアウト、21000系に比べると柔らかなデザインに仕上げた。塗装は白を基調に裾部にオレンジとベージュのラインを加えた。乗降扉は折り戸からプラグドアに変更された。車内は引き続きレギュラーシートとデラックスシートの2種を設けたが、デラックスシートは1両のみの設定となった。座席は何れも腰部が沈み込む「ゆりかご型」のリクライニングシートを採用した。デラックスシートのリクライニングは電動式である。喫煙ルームは3両に設けられたが、2007年に車内販売を実施することとなった際に1つを準備室としたため現在は2か所となっている。

 機器類は21000系製造時からの技術の進歩を反映している。3M3TでMT比は1:1の構成だが、21000系や「伊勢志摩ライナー」23000系の4M2Tと同等の性能とすべく、主電動機は1両あたり230kW×4。制御装置はシリーズ21に準じてIGBT素子のVVVFインバーターである。制動装置は電気指令式。台車はボルスタレス式のKD-314。

 現在は名阪ノンストップ特急(甲特急)と阪奈特急に限定運用されている。

 

 

電算記号

写真: UL01(21101)

UL21

UL22(21122)

UL22

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