7070形は、1967年に登場した(加越能鉄道→)万葉線の車両である。
加越能鉄道では1961年に富山地方鉄道デ7000形をベースにしたデ7050形を投入、1965年には連結運転に対応したデ7060形を増備したが、これらは何れも富山地鉄デ7000形を窓配置を最低限変更したのみで前後扉化したものであった。そのため側窓配置が不自然な構成になっていたが、本形式では窓配置を改め自然な見た目となっている。これに伴い座席も延長されており、着席定員は6名分増加している。
機器類は富山地鉄デ7000形と同等、吊り掛け駆動で間接非自動制御の抵抗制御である。台車も同様であるが、本形式はデ7000形の後期車のものに改良を加えたN-110B型を履いている。
6両が製造され、本形式の増備と伏木港線の廃線で現在の万葉線区間の列車は富山地鉄デ7000形をベースとした3形式での運転に統一された。1971年にワンマン化されたが、その後の変化は乏しく動きがあったのは運営会社が加越能鉄道から第三セクターの万葉線に移管してからである。標準塗装の変更(とはいえ大半が全面広告車)、デ7071・7073に対する冷房化が行われた一方、超低床車の投入でデ7050・7060形は全廃され、続いて2011年には本形式からも1両が廃車されている。
現在は5両が在籍している。このうち3両の非冷房車は従来夏場に極力運用しないよう調整していたようだが、高岡駅停留所が移転してからは運用数が増加し夏場でも非冷房車を使用する場面が発生していた。2018年夏には非冷房車の車内でアイスキャンデーを振る舞う「アイストラム」を運行したが、抜本的な解決策として2020年度から非冷房のデ7074・7075に対し冷房化が行われている。
最終更新:2022/8/2