5000系は、2008年に登場した通勤形車両である。名鉄では通勤車として2004年から3150・3300系を投入しているが、本形式は特急営業政策の変更により廃車された1000系の機器を流用、3300系並みの車体を組み合わせた機器流用車であるのが最大の特徴である。なお「5000系」は1955年登場の高性能車に続く2代目である。
車体は3150・3300系に続いてステンレス製、設計は概ね同一だが前面は非貫通であるほか帯の入り方も異なっている。また本形式から行先表示はフルカラーLEDとされたほか、車内は3150系2次車に続いてオールロングシートであるが優先席の拡充などが行われている(車内の詳細はこちら)。なお機器配置の都合か、車端部の一部座席は片持ち式ではないものがある。
主要機器は1000系(全車特別車編成)から流用したため4両編成とされ、制御装置は界磁チョッパ式、主電動機は複巻電動機、制動方式は電磁直通ブレーキである。性能面では1000系当時と大きな変更は無く、3扉・ロングシートではあるもののSR車に区分される。このほか台車やパンタグラフ、冷房装置も流用品であり、特に台車はボルスタ付(FS539・FS039)とボルスタレス式(SS165・SS026)があり、他にも種車の製造時期により機器に相違があることから1000系4次車・5次車の機器を流用した車両は10番台に区分されている。
2008年2月に4編成(1次車)が、5月にも4編成(2次車)が登場し、主に7000系を置き換えた。2009年には6編成(3次車)が登場、6000系を三河線に転用することで7100・7700系を置き換えている。なお3次車は床材の柄を変更したほか扉付近の床を黄色にするなど、前年の4000系での変更を反映している。なお1000系の全車特別車編成は15編成あったが、1001Fに関しては機器流用がなされずに廃車されている。
1次車・2次車は主に7000系の運用をそのまま置き換えるような形であったが、2008年12月改正では西尾線など従来入線しなかった路線にも進出。2011年3月改正では朝ラッシュ時に8連運用が登場したほか、ワンマン運転を開始した築港線でも使用されている。築港線は1駅で、運賃収受も全て大江駅で行うためワンマン運転用の設備は特に搭載していない。
現在はワンマン運転を行わない路線の大半に入線し、主に急行以下の種別で運用されている。なお定期列車での豊川線への入線は皆無(以前は存在)であるほか、本線の岐阜~須ヶ口間や竹鼻線への入線も極端に少ない。
写真 |
編成番号 |
機器供出元 |
5001F |
1008F |
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5002F |
1005F |
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5003F |
1003F |
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5004F |
1009F |
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5005F |
1006F |
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5006F |
1002F |
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5007F |
1004F |
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5008F |
1007F |
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5009F |
1010F |
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5010F |
1017F |
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5011F |
1018F |
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5012F |
1019F |
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5013F |
1020F |
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5014F |
1021F |