4000系は、2008年に登場した名鉄瀬戸線用の通勤車である。瀬戸線では2000年代後半に入っても吊り掛け駆動の車両が未だに実質6編成在籍しており、これらを含めた従来車を一掃する方針の下に投入された。瀬戸線用の機器流用などを含まない完全な新車は1978年の6600系以来、4000番台の形式は昔から非常に多数の形式があった名鉄でも初となる。
車体は同時期の本線系通勤車と同様「日車式ブロック工法」を用いたステンレス製だが、溶接方法をスポット溶接からレーザー溶接に変更したため溶接痕が残らず綺麗な仕上がりとなった。また本形式導入と同時期に新設した尾張旭検車区は無塗装車の導入を前提に塗装設備が無いため、本線系通勤車とは異なり前頭部もステンレス製としている。このため鋼製で曲線を描いていた本線系ステンレス車とは異なり角ばった印象となっている。スカートは電連を設けないため左右一体型である。
車内は同時期の本線系通勤車に準じた仕様であるが、座席はJR東日本の電車と同様の形状のほか、情報案内装置を液晶式するなど相違も多い。詳細はこちらを参照されたい。
足回りも駅間が短く急曲線の多い瀬戸線の特性を反映し、本線系通勤車とは異なる仕様となっている。制御装置はIGBT素子を用いたVVVFインバーター制御だが、4両固定編成のみの瀬戸線用として1C8Mとしたほか従来に比べ低騒音のものを用いている。起動加速度は小牧線300系と同じ3.0km/h/sと名鉄では高めの設定、台車は急曲線に対応するためボルスタ付のFS571とした。なおFS571形台車は2015年以降3150・3300系の増備車やEL120形にも採用されている。
2008年に1編成を投入した後、翌年には4編成を投入、計画では2010年度中に合計10編成となる予定であったが、経済情勢の変化もあってか2010年度・2011年度は計3編成の新造に留まった。2012年度からは投入ペースが上がり、同年度6編成、2013年度4編成を投入し瀬戸線から「赤い電車」が消滅した。これにより瀬戸線は4000系18編成に統一されたが、2015年初めに喜多山周辺の高架化に伴う運用増で3306Fが搬入され、2016年9月に運転を開始している。現在は3306Fと共に瀬戸線全列車に運用の区分なく充当されている。
4001F |
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最終更新:2021/7/3