2000形は、1989年に登場した名城線・名港線用の車両である。開業時から使用されていた非冷房の「黄電」を駆逐するため、また路線の延伸に伴う補充のために2004年までの長期に亘り製造された。名古屋市営地下鉄の中では単一形式で最多の編成数・車両数であり、現在の名城線・名港線は全て当形式で運転されている。
車体は16メートル級・3扉、車体材質はビートの入ったステンレスとなっている。前面は5000形に準ずる作りだが、灯具が縦並びから横並びに変更された。全車が日本車両で製造された。車内は座席が扉間7人掛け、車端は3人掛けでバケットシートを採用した。荷棚は全ての座席上に設置されているが、パイプが通常の線路方向では無く枕木方向を向いているのが特徴的である。名城線では初めての冷房を搭載している。
1編成は6両、3両1組のユニットを組んでおり両先頭車がトレーラー車である。制御装置はGTO素子のVVVFインバーター制御を採用。ブレーキは電気指令式。台車は空気バネ台車だがボルスタレス式を採用した。車輪は従来車に引き続き弾性車輪を使用している。
1989年に5編成が登場、その後も2000年まで毎年1〜5編成のペースで導入され、2000年度には6連32本の陣容となった。1992年の2110Hからは車いすスペースを設置、1995年の2116Hからは路線図式の案内表示の設置を、1999年の2128Hからは紫色の帯の色調が若干変更されたほか、制御装置のソフトウェアが変更されている。名城線の環状運転化に備えて増備された2003年と2004年の車両は、前照灯がHIDになったため容易に判別できる。
2012年からは、製造から20年以上経過したことを踏まえて機器更新が行われている。更新は制御装置やSIV、ATC装置などであり、特に制御装置はIGBT素子のものに変更されている。現在は名城線・名港線の全列車で使用されている。