7000形は、1957年に登場した富山市内線用の車両である。
ベースは東京都電8000形で、直線基調の車体にバス窓の基本仕様は同様であるが車体幅は広めで車体前後の絞りは無く、両側面の窓は大きくなっている。扉は入口が車体中央、出口は運転席横に設置されている。塗装はクリームに緑のツートンであったが、後に8000形と同様の塗装に塗り替えられた(デ7018を除く)。なお同線は車体広告に積極的であるが、それとは別に前面・側面の屋根上に電照広告を設置している車両も少なくない。車内はロングシートである。
機器類も東京都電8000形と同等、吊り掛け駆動で間接非自動制御の抵抗制御である。台車は4種類あったが、このうち初期の10両は都電8000形と同じく車輪の内側に台車枠を設けていた。なお加越能鉄道7050形などは本形式のコピーであるが、入口扉も乗務員室横に設置している。
1965年までに22両(デ7004は当初より欠番)が製造され、1969年にはワンマン化、1984年からは冷房化を実施、1989年までにデ7012以降の全車に施工している。一方で初期車は台車構造の問題から騒音と振動が酷く、冷房化が実施される頃には5両が廃車され、1993年に8000形が登場したことで全て置き換えられた。その後は暫く置き換えがストップしていたが、2010年からはT100形の導入で廃車が再開されている。
2014年、市内線100周年を記念しデ7022が「レトロ電車」となった。2011年の鉄道線「アルプス・エキスプレス」に続いて水戸岡鋭治氏によるデザインで、塗装はクリームとメタリックグリーンのツートンで塗り分けは旧塗装と同じであるほか、各部にロゴが入れられている。車内は床や座席を木製としたほか、灯具を旧型車が用いていたものを設置している。
現在は11両が在籍している。8000形と共通運用され、2009年に開通した富山都心線には入らない。なお「レトロ電車」はダイヤを固定しており、昼間を中心に運転される。