名古屋臨海高速鉄道1000形|FTN trainseat.net

名古屋臨海高速鉄道 1000形

写真: ao1104

「名古屋臨海高速鉄道って誰?」と思われる方も少なくないかもしれませんが、名古屋から市内南部を通り金城ふ頭に至る「あおなみ線」のことです。中部国際空港の開港と愛知万博の開催を控えた2004年に開業、鉄道空白地帯であった同エリアの日常の足として、また笹島操車場跡地に作られた愛知万博のサテライト会場への足としての役割も持っていました。駅の雰囲気や営業制度は名古屋の地下鉄に近い部分もありますが、路線は名古屋を出ると途中まではJRの貨物線を転用した区間であるためあおなみ線の電車に混じって貨物列車が行き交う点が特徴。終点の金城ふ頭には2011年に「リニア・鉄道館」、2017年には「レゴランド」がオープンし、行楽輸送も担うようになりました。
車両は車体に日車式ブロック工法を採用した1000形、装飾は控えめながら近代的な雰囲気です。一方主要機器は大規模な検査をJRに委託していることもあり、意外にもJR東海の313系をベースにしています。様々な要素が混ざりあったあおなみ線、さて車内は…


AO10-車内全景

車内全景です。ロングシートの車内は縦の握り棒があるにも関わらず広々としているのが印象的です。20m級ですが扉は片側3か所、あれこの配置はどこかで…と思って形式図を眺めてみると、なんと扉の位置は313系と同一になっています。ということは313系があおなみ線に入ってもホームドアの問題はクリアできる…?などと一瞬考えてしまいました。

AO10-車端部AO10-車端部2

車端部です。妻窓は無く、3号車の編成中央寄りを除いて妻扉もありません。妻扉も基本的には開け放たれており、これについては名古屋市営地下鉄と同様の考え方のようです。

AO10-乗務員室仕切

乗務員室仕切は仕切戸を右側に寄せたスタイルで、窓の配置も含め名古屋近郊では名鉄小牧線~地下鉄上飯田線の2形式でも見られます。

AO10-天井

天井は中央にラインデリアが所々、外側に空調吹出口、カバーの無い照明の順で並びます。中央のパネルは枕木方向に模様が入っていますが、これは名鉄3150・3300系の初期車などでも見られました。

AO10-床

床は見事に灰色一色、柄も無ければフットラインもありません。

AO10-扉

扉は名古屋近辺では比較的珍しい銀色無塗装、扉窓は本体と面一になっています。座席と扉の間には多少の余裕が設けられていますが、扉横に固まるのは禁物。因みに鴨居部の「5」は1号車から通しで振られている扉番号です。

AO10-LED

情報案内装置は少し小さめのLED式のものを千鳥配置、扉開閉方向の予告装置も併設しています。これが無い側は所要時間も書いた大きめの路線図を掲出しており、両側の扉上を見れば乗車中に欲しくなる情報はだいたい得ることが出来ます。

AO10-窓

窓は扉間2枚・車端1枚で、カーテンが無い代わりに濃い緑色の窓ガラスを使用しています。車端の窓は上3分の1が折れて開く構造で、これもどこかで聞いたような…と思って形式図を見るとやはり313系と同じ寸法です。

AO10-10人掛け

座席を見ていきましょう、扉間は10人掛けです。座席は片持ち式、背摺りと座面は一体で1席ずつ独立しており、これなら定員着席が守られそうです。460mm間隔での設置ですが、背摺りと座面は440mm程度のようです。袖仕切りは樹脂製ながら流行の大型袖仕切りではなく、肘掛としても使用できる形状としています。

AO10-4人掛け

車端部は4人掛け、写真のように優先席もありますがモケットによる区別はありません。313系と同様壁側にも肘掛を用意していますが、残念ながら313系と同様薄すぎてあまり使い物になりません。

AO10-車いすスペースAO10-8人掛け

先頭車は乗務員室寄りの扉間に車椅子スペースが設置されており、その横は8人掛けとしています。車椅子スペースは握り棒こそ少なめですが、非常通報装置に東海地区の通勤電車では標準装備になりつつある車椅子固定金具も付いています。
座り心地は硬めで、乗り通して30分未満と割り切るにしても些か辛いものがあります。そこに冬場は風が冷たく強い臨海エリアにあって、足元のみならず貫通扉も無いので車内全体に風が通り抜ける点が追い打ちを掛けます。「座席の間隔は広げた方がいいけど一番当たるのは肩だし座面幅は従来並みでいいよね」という、座席そのものの発想自体は悪くないと思うのですが…


AO10-運転台

運転台は非貫通ながら313系を基本にした配置。

座席系

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