伊勢鉄道イセIII形|FTN trainseat.net

伊勢鉄道 イセIII形

写真: イセ103

伊勢鉄道と言うと特急「南紀」や快速「みえ」で素通りしてしまうことが多いような気もしますが、JRの四日市駅と津駅のいずれも端から発車する伊勢鉄道の気動車がイセIII形です。2003年に登場した軽快気動車で、1両目は富士重工、2両目は新潟トランシスが製造したのですが、最大の特徴はステンレス製の車体でしょう。走行線区の大半が高架で踏切も殆ど無いためでしょうか、塗装費の節減を意図しているのかもしれません。また最高速度は従来車の80km/hから一気に100km/hに向上してスピードアップを実現。4両が在籍し、四日市~津間の普通列車で使用されています。

車体や足回りに独自の仕様が見られるイセIII形、その車内を覗いてみましょう。


イセIII-車内全景

車内全景です。外観とは裏腹に、ロングシートとボックスシートが並ぶ一般的な軽快気動車という印象です。全区間乗り通しても40分前後ですからトイレは設置していません。

イセIII-車端部

先頭部分です。運転台は半室で運転室窓の上に運賃表示器を設置しています。扉位置は左右で異なり、右側は格好の前面展望スペースになっています。

N3-天井イセIII-天井

天井はカバーなしの蛍光灯が2列に並び、その内側には空調吹き出し口を設けています。吊革は三角形のもの、ボックスシート部も含めた車両全体に設置しています。

イセIII-床

床は茶系の単色。濃淡があるように見えるのは座席などの影のせいです…

イセIII-窓

窓は固定式、カーテンは横引き式です。側面窓は6枚と18m級軽快気動車では一般的ですが、2枚を1組にして間柱を細くし、更には窓の横幅も大きく取っている点が特徴です。

イセIII-ボックス

ここからは座席を見ていきましょう、まずは扉間に6区画設けられたボックスシートから。形状は富士重工製LE-DCと同様で、シートピッチは1600mm~1615mmと幾分広め。足元が広いので向かいの乗客の脚が当たることは少なくなると思いますが、座面の奥行が足りないのか座ったときにどうも落ち着きませんでした。

イセIII-6人掛け

ロングシートもあります。津寄りは両側とも6人掛けです。軽快気動車では割とお馴染み?の簡易バケット型ですが、片持ち式というのは富士重工→新潟トランシスの軽快気動車ではあまり見かけません。尤も座席下が一律にがらんどうと言う訳でも無く、配管が通っている部分もあります。座席幅は1人当たり450mmとそこそこの数字。

イセIII-9人掛け

こちらは9人掛け、3人分の背摺り・座面を3個並べた格好です。袖仕切はパイプを組んだもの、LE-DCで見かけた格好ですが片持ち式であることを考慮してか縦のパイプは床まで伸びています。

イセIII-車いすスペースイセIII-7人掛け

9人掛けの向かいには車椅子スペースを設置、排気管を挟んで7人掛けロングシートを設置。車椅子スペースは固定ベルトと乗降用スロープを備え付けています。本形式はステップを設けていませんが、冒頭の外観写真をご覧いただいても分かるようにスロープが必須な段差がある駅も少なくありません。

イセIII-運転台

運転台は横軸式ツーハンドル、計器パネルはLE-DCに近く最近の所謂NDCにあるモニタ装置は設置されていません。


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