阪急3000系|FTN trainseat.net

阪急3000系

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1964年、架線電圧の昇圧が迫る阪急神戸線に投入されたのが3000系です。前年までは2000系同様に回生ブレーキと定速制御が使えて1500Vにも対応した2021系が製造されていましたが、何かと手間がかかる電車になってしまっており、その反省を生かしたのか抵抗制御と発電ブレーキの「昇圧即応車」となりました。輸送力増強に加え昇圧に対応しない車両の代わりとしても製造されたため、1969年までに114両を製造。宝塚線には主電動機出力を落とした3100系も並行して40両が製造されました。冷房は1974年から10年掛かって全車に設置、途中からは行先表示幕の設置工事も行っています。
神戸線やその支線、更には宝塚線でも他形式に伍して活躍していましたが、2006年の9000系投入からは編成単位での廃車が本格化。神戸線からは2012年、宝塚線からは2014年に、今津北線の6連も2018年に姿を消しましたので、僅かに4連が伊丹線で活躍しているのみとなりました。新1000系が順調に数を増やし、従来車の思わぬ形での支線転用も発生しており、引退まで秒読みという段階に入っています。


30-車内全景

車内全景です。製造から50年が経過していますが、モケットや化粧板などは5100・5300系辺りがかなり草臥れてしまっているだけにそこまで古さを感じさせません。もちろん細かく見ていけばそうも言い切れない訳ですが…

30-車端部

車端部です。920系以降2021系までは広幅・貫通扉無しの貫通路でしたが、2021系の6両固定編成で風が通り抜けることが問題視されたようで、本形式以降現在の新車まで全て貫通扉付きとなっています。妻窓は貫通路の狭幅化に伴って横幅が広がっています。貫通扉は天地寸法の大きな窓が目立ちますが、明らかに後年取り替えられたものです。

30-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。車掌台側の窓は上が折れて開くようになっていますが、元々車掌台側には窓が無かったという話を聞いたことがあります。組成の都合から中間封じ込めの先頭車も多く、乗務員室の設備を撤去し仕切だけが残った状態の編成もありました。

30-床

床敷物は赤茶色の単色。抵抗器で床敷物が焼け焦げた車両など、1両単位で別のものに取り替えている場合もあります。

30-天井

天井です。取材した編成は比較的後期に冷房改造を行ったため、ラインデリアが設置されています。蛍光灯はカバー付き。

30-扉

色褪せが少し気になる扉は阪急の標準品とも言うべきもので、7000系の初めあたりまでだいたい同じだとか何とか。注目すべきは扉付近の立席スペースで、かなり広く取られていることが判ります。これは混雑対策で座席を切り詰めた結果で、1965年度製の2次車以降が該当します。

30-窓

窓はフリーストップ式の一段下降窓、日除けは伝統の鎧戸です。荷棚は窓の上にのみ設けられており、座席の長さとは微妙に合っていません。

30-7人掛け

座席を見ていきましょう、まずは扉間の7人掛けです。前述の通り座席は長手方向に切り詰められていますが実は奥行も若干切り詰めているようで、乗客を詰め込むための涙ぐましい努力が伺えます。

30-5人掛け

車端部は5人掛けということで作ったものと思われますが、背摺りのモケットの擦れ具合を見る限り4人掛けとする機会が多いようです。優先席にされている箇所もあるはずですが、先が短いと思われる本形式ではモケット変更を行っていない模様。

30-9人掛け30-5人掛け

座席の切り詰めは1965年の2次車からで、1次車については2000系や2021系と同様に扉のすぐ脇まで座席を設けています。扉間9人掛け、車端部6人掛けを想定しているようですが、実際はそれより1人ずつ少なく座ることが多そうです。それはそうと、1964年製造の1次車が末期まで残っているというのは…

30-3人掛け

乗務員室直後は3人掛け。座り心地は奥行を切り詰めているだけあって他形式に比べると劣りますが、現在の運用ではどうやっても20分以上乗車することはありませんので諦めもつきそうです。

30-運転台

運転台です。速度計はデジタル式に、ブレーキは電磁直通ブレーキですが非常制動だけは電気指令式に改造されています。

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