阪急7000系(7010F・7020F)
1979年に登場した7000系、製造から20年程度が経過し更新が始まったのは2001年。しかし210両もあるのに2年に1編成というスローペース、2009年からのリニューアル工事は前面スタイルも変更するなど随分力が入っていましたが2編成で力尽き、2011年に出てきた編成は内容が簡素化されるなどどうにもメニューが安定しません。そんな中2013年に出てきたのが今回ご紹介する形態で、前面は車番移設とステップ大型化を実施する一方貫通扉の窓は従来通りという微妙なスタイルとなりました。リニューアルの形態としては「第3期」と表現してもよいかもしれません。写真のようにヘッドマークを付けている分にはいいものの、これが無いとどうも締まりません。
結局このメニューで施工されたのは神戸線の2編成に留まり、以後はアルミ車体の編成が対象となって制御装置の交換などまたしても内容が変化しています。さて車内はどうなっているでしょう…
まずは車内全景から。全体的に濃い目な色合いがリニューアル車の証、外観がバラバラな7000系のリニューアル車ではありますが車内については一定水準を保っており、今回ご紹介するグループは手を加えすぎな感のある7007F・7008F(以後「第1期」と表記)と手抜き感が漂う7009F(同様に「第2期」と表記)の中間あたりになるかなあ、と思います。
車端部は従来通りの構成、貫通扉の窓が大きくなっていますがもしかするとリニューアル前からこうだったかも… 妻面化粧板を濃色化するのもだんだん見慣れてきました。
乗務員室仕切も化粧板を濃色化しています。
床はリニューアル車共通の、フットラインを意識したブロック柄入りのものに取り替えられています。
天井はラインデリアを設けた従来通りの構成ですが、照明をLED化しています。照明の灯具と荷棚の形状はリニューアルを施工した頃に登場した1000系に準じていますが、一方で1000系に準じた部分と言うとこの程度しか思い浮かびません。
扉です。付近の天井には吊革を設けていないほか、10連運用があるためか宝塚線6000系の項で紹介した現在位置を点字で示すステッカーはありません。なお荷棚は元々窓上のみ設置(＝戸袋部には無い)でしたが、リニューアルで座席がある部分全体に設置するよう改められています。
情報案内装置は9000系同様に液晶式を千鳥配置、左は広告、右は列車情報を案内します。リニューアル第1期と同様ですが、第2期ではLED式に先祖返りしてしまっていました。
側窓は一部を固定化しています。リニューアル第1期は開閉できる窓をパワーウインドウ化する大盤振る舞いでしたが、流石に手が掛かりすぎるのか以後は行われていません。日除けはフリーストップ式カーテンに交換されています。
座席を見ていきましょう、扉間のロングシートは中仕切を2か所に設けた8人掛けです。元々9人掛けだったところを1人当たり幅の拡大と間仕切りの設置で8人掛けとしており、9000系と同様の座席をバケット化せずとも定員着席を促すデザインを採用しています。背摺りのモケットを見ても定員通り座られている様子で、目的は果たせていそうです(まあこの配置だと他に座りようが無いのですが…)。
なお背摺りは傾斜のある7000系後期車以降のタイプに、モケットの毛足は近年の新車と同様長めでリニューアル前に比べ快適性は高くなっていると思います。脚台は形状こそそのままに見えますが、基部を除き黒塗りとしてやはり7000系後期車並みに仕上げています。
車端部は5人掛け。こちらは元々5人掛けでしたので、1人あたり幅を確保するため座席が扉寄りに延ばされています。袖仕切りは7000系後期車以降採用されている袖板+パイプの組み合わせですが、9000系や近年のリニューアル車ではパイプを扉寄りに湾曲させることで立客の分離を行っています。
車椅子スペースは2両に1か所ずつ設置、新造車は各車1か所ずつなのに、リニューアル第1期でも各車1か所ずつだったのに… その横は2人掛けとしています。
乗務員室直後と車椅子スペース横は2人掛け。今回取り上げた2編成はいずれもリニューアルの前から側窓が追設されていました。なお撮影時には優先席モケットの変更が行われていませんでしたが、検査入場の折に変更されることと思います。
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