阪神5500系
1995年の阪神大震災で多くの車両を廃車せざるを得なくなった阪神。「ジェットカー」とよばれる普通用車両の補充用として同年秋に登場したのが5500系です。もっとも計画や設計は阪神大震災よりも前から行われており、従来のイメージを一新する塗装に阪神初のVVVFインバーター制御の採用など新しい「ジェットカー」像を確立しました。個人的には日テレ系「鉄腕DASH」でTOKIOと競争したのが印象に残っている車両ですが、乗ってみるとその性能にまた圧倒されます。
震災廃車の補充分の後は旧型車の置き換えを行い、最終的には9編成が製造されました。現在は阪神本線の普通で使用されていますが、かつては西大阪線にも入線していました。
車内全景です。基本レイアウトは8000系の1991年以降製造車に準じていますが、座席や化粧板など寒色系の色遣いが特徴です。
車端部です。天地寸法の大きな貫通扉に、縦長の妻窓が特徴的です。8000系の1991年以降製造車と比べると、角が取れた妻窓や大型化された貫通扉の取っ手が目立ちます。
乗務員室仕切です。3枚の窓は側窓や妻窓に比べて天地寸法は小さめ。乗務員室内のカーテンは横引き式です。
扉は他社より少し大きめの1400mm。最近は戸袋へ引き込まれる事故を防ぐべく、JR西日本の車両でも見られる黄色の帯を貼りつけています。
扉上には千鳥配置でLED式の情報案内装置を設置。現在は左のように一般的な路線図と組み合わせたものですが、当初は右写真のように電光式の路線図とセットで設置されていました(写真は2007年撮影)。運用範囲は梅田~新開地(一時は山陽の東須磨まで入線)と西大阪線が基本でしたが、山陽の須磨浦公園まで対応していました。
天井はカバー付き蛍光灯を両側に配置、中央にラインデリアを設けたスタイルです。
全体的に寒色系の仕上げの中、床だけは8000系に近いフットラインが入った茶系のものを用いています。
窓周りです。カーテンは巻き上げ式、ストッパーは全閉と下から3分の1の2か所。半分くらいの位置にも欲しいかなあ、と思うのですがこの仕様は1000系まで引き継がれています。
ここからは座席、まずは扉間の8人掛けから。基本的には1991年以降製造の急行車8000系に準じた作りで、低めの背摺りが特徴的なバケットシートです。モケットや袖仕切の化粧板は青系として、車体色のイメージに近づけています。
車端部は5人掛け。神戸方は優先席とされており、グレー系のモケットを用いています。
乗務員室直後と車いすスペース横は3人掛けです。車椅子スペース横の袖仕切はパイプが何故か床まで伸びているほか、窓を避けるため壁に向かうパイプも低めにしています。
車椅子スペースはレール方向のパイプ1本のみ、袖仕切のパイプに繋がっています。
運転台は引き続き2ハンドル式ですが、阪神初のデスク型を採用しています。
今回の写真は一部を除いて2016年正月、朝5時前の石屋川で撮影しました。ジェットカーの車内を撮るのは中々難しい…
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最終更新:2016/1/20