北陸鉄道8000系(8800形)|FTN trainseat.net

北陸鉄道8000系(8800形)

写真: H8801

京王井の頭線で活躍していた3000系もデビューから30年を過ぎると後継車が登場、18メートル級の手頃なサイズも相まって地方私鉄への譲渡が相次ぎました。そのトップバッターとなったのが1996年の北陸鉄道浅野川線で、最初の5編成が2連に短縮され投入されました。同時に架線電圧を昇圧、翌年には金沢駅が地下化されるなど、同線が一気に近代的な装いになっています。
さて北鉄にやってきた京王3000系は8000系を名乗り、他と被る訳でも無いのに狭幅車は8800形、広幅車は8900形としました。前面窓周りのカラーは北鉄標準のオレンジ色に、先頭車は機器移設の上電動車化、そして高さ調節が可能で車体より幅が広いスノープラウが特徴です。今回は量産先行車的な性格もあってか京王時代の晩年には運用が限定されていたと聞く狭幅車・8800形の様子をご覧いただきます。


H88-車内全景

車内全景です。京王3000系は特徴的な前面スタイルに加え、広幅車は側面窓配置も他では見られない独特のものでした。ところが狭幅車の2編成は側面窓配置が一般的な18メートル級・片側3扉であるため、外観はともかく車内に足を踏み入れると別形式のような気がしてきます。ちなみに石川線から旧型車が一掃された今、片開き扉の車両は北鉄の中でも珍しい存在になっています。

H88-車端部

車端部です。座席ギリギリまで通路を広げた貫通路が特徴で、幅は側扉と同じくらいあるようです。もちろん貫通扉はなく、結果的に運賃を車内収受するワンマン運転にも適した構成になっています。

H88-乗務員室仕切

乗務員室仕切は側面と同等のサイズの前面窓が特徴ですが、ワンマン化に伴う座席の撤去や運賃箱の設置、それに鎖で立ち入りを制限されていることもあって前面展望を楽しむのはちょっと厳しめ。ただ広幅車に比べ乗務員室から客用扉までの距離が短いので、無駄なスペースは少なめです。側窓の上の方に設けられた箱は方向幕で、厚みはそこそこありますが下部も窓の高さまで箱があるお陰でそこまで目立たず邪魔にもなりません。

H88-お守り

白山比咩神社のお守りは両線の全車に取り付けられていますが、本形式はステッカー式。色からして自動車に貼るようなものでしょうか…

H88-扉

大きな特徴である片開きの側扉は無塗装で幅は1200mm。写真の乗務員室直後の扉はワンマン運転で出口となるほか、金沢方の乗務員室直後については北鉄金沢・内灘ともに改札最寄りの扉となります。

H88-天井

天井です。北鉄にやってきた京王3000系は全車とも冷房を搭載せずに製造され、改造で搭載された冷房装置は全て分散式。2列の蛍光灯の間に設けられた丸いものはファンデリア、その奥に見える四角いものが冷房吹き出し口です。

H88-床

床はクリーム色。写真は少し暗めに写ってしまいましたが、実際はもう少し明るく見えます。

H88-窓

窓は2段式、戸袋窓は…一番右なのですが、通常の側窓と同じ見た目としている点が特徴です。

H88-広告枠

広告枠には京王時代から現在までの写真が掲出されていました。

H88-8人掛けH88-8人掛け優先

座席は扉間と車端の2種類ですが、先に扉間の8人掛けから。座席そのものは京王時代から変わり無いようで、張り替えを行ったか否かは不明ながら蘇芳色のモケットも京王時代と同じです。右側は各車1か所ずつ乗務員室寄りの優先席を設けた箇所で、座席の半分を蘇芳色と銀色のモケットに張り分けています。

H88-5人掛け

車端部は5人掛け。妻面には京王時代と同様モケットを貼っており、余裕が無い中でも乗客への配慮がなされています。

H88-車椅子スペース

車椅子スペースは乗務員室直後に設けられています…が、通常は鎖で塞がれているようです。窓側の大きな箱は座席脚台を上に拡大したようなサイズで、中身は恐らくヒーターでしょう。


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