伊豆箱根鉄道7000系|FTN trainseat.net

伊豆箱根鉄道 7000系

写真: izhk7101

1991年に登場した伊豆箱根鉄道7000系は、老朽車の取替えと同時に一部指定席の快速列車を増発、更にはJRへの直通も夢見て製造された車両です。車体は3000系に続きステンレス製ですが前面は大型一枚窓を用いた新しいスタイル、最大の特徴は先頭車が3扉、中間車が2扉という珍しい構成とした点です。これは1988年に設定された中間車を指定席とする線内快速への充当を念頭に置いたもので、実際に当初は快速でも運用されたようですが、利用が伸びず1998年には廃止されています。JRへの直通に備えた装備も用意していたようですが、やはりというか何と言うか叶いそうにありません。
3連2編成が他形式に混じって駿豆線三島~修善寺間で活躍しています。今回は第1編成の様子をご覧いただきますが、第2編成は幾つか異なる点もあるようです。


izhk7000A_車内全景izhk7000B_車内全景

車内全景です。オールクロスシートではありますが左の先頭車は3扉、右の中間車は2扉です。外観・車内配置とも先頭車は311系、中間車は213系相当と言ったところでしょうか。

izhk7000A_車端部izhk7000B_車端部

車端部です。左が先頭車、右が中間車の車端部で、後者は座席が3列あるため奥行があります。いずれも妻窓付きで貫通扉はありません…が、何故か貫通路上の処理が両者で異なっています。第2編成では貫通路上にLED式の情報案内装置が設置されているそうです。

izhk7000_乗務員室仕切

乗務員室仕切は3000系と同等の造り、大きめの窓が特徴です。

izhk7000A_扉izhk7000_扉

扉は銀色無塗装、右側の中間車は扉が2か所しか無いため幅を1400mmと通常より少し広げています。周囲の立席スペースも少なく吊革も最低限しかありませんが、混雑時にこの車両が来ると大変なことになったりしないのでしょうか…

izhk7000A_天井

天井は空調吹き出し口と蛍光灯が並ぶシンプルな構成、吊り広告は少なめで吊革は扉付近にしかありません。取材時は節電のため一部蛍光灯を抜いていました。

izhk7000A_床

床は茶系の単色。

izhk7000A_窓izhk7000B_窓

側窓です。左が先頭車、右が中間車ですが、いずれも扉間は一段下降式の2連窓、カーテンは巻き上げ式で4段階の調整が可能です。荷棚は一般的な網棚ですが、第2編成は311系に近い前飾り付きのパイプ式としています。

izhk7000A_座席転換灰izhk7000A_座席転換赤

座席は概ね2種類、まずは転換座席から見ていきます。配置は先頭車が311系、中間車は213系のそれに近いのですが、座席はというと「何かに似ていてどれとも違う」と言った趣。背摺りは低めで厚め、座面と共に縫込みがありバケット風な雰囲気。脚台は足元が塞がれた格好で、登場時期を考えると些か古く見えてしまう感はあります。モケットはここまでご覧の通り赤系と灰色系を扉毎、左右で分けるようにして用いていますが、第2編成ではこれに加えて黒(!)のモケットが加わり、配置もランダムになっているようです。車体幅に余裕があることもあってか窓側には117系類似の肘掛を設置、通路側はというと名鉄5300・5700系に似た格好で横にモケットを貼っています。シートピッチは910mmと国鉄~JRで一般的な数値です。

izhk7000A_座席固定灰izhk7000A_座席固定灰2

扉横と車端部は固定座席、背摺りが転換座席より幾分高いようです。車端部妻側の座席は若干狭くなっている例が多い中、本形式は他と同じ幅としています。

izhk7000B_座席固定赤

さて中間車は固定座席が絡む箇所でシートピッチが広がっています。これは213系が全席転換座席だったのに対し、本形式は扉横と車端部妻側を固定座席にしているためで、特に車端部ではどこに座っても足元が広くなっています。

izhk7000A_座席固定背面

固定座席の裏側には取っ手を設置しています。前述の通り扉周辺は掴まる物が少ないですので、それを補う格好です。


izhk7000_運転台

運転台です。3000系で右手ワンハンドルを採用しましたが、JR直通を考慮してか211系並みのツーハンドルとされました。

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