323系|FTN trainseat.net

JR西日本 323系

写真: LS01

小さいころはよく弁天町の交通科学博物館に連れていってもらいましたが、大きな扇風機が回る103系の記憶が残っています。それから15年、環状線で電車を待っているとやってくるのは綺麗だけど103系…あれ?
大阪環状線用に新造車が直接投入されたのは果たして何年ぶりのことなのでしょう、2016年12月に323系が103系や201系を置き換えるべく登場しました。ホームドアの設置を念頭に置いたため車体は225系や227系などの近郊形電車そっくりの3扉車、オレンジの帯やステッカーが環状線用えあることを示しています。足回りも321系以来の0.5Mシステムが踏襲されていますが、制御装置にはフルSiC素子を初採用して回生効率を上げているとのこと。

営業開始の段階では外回り・内回り・朝夕の桜島線直通にそれぞれ1編成を充当、翌年3月のダイヤ改正で本数を増やし、最終的には大阪環状線のオレンジ色の通勤電車を全て置き換えることになります。


323-車内全景323-車内全景2

車内全景ですが、左が1~7号車、右は8号車(外回り先頭車)の様子です。321系が様々な意味で「新しい」通勤電車だったのに対し、本形式はその後の10年の積み重ねが垣間見えるような気がする車内です。正直なところ3扉車は通勤形に含めていいものなのか悩ましいところではありますが…
なお右写真の外回り先頭車は大阪駅の階段が近く以前から混雑していたため、座席数を減らして立席スペースを確保した車両です。これに加えて女性専用車もあるのですが、ここは入れませんので何がどう違っているのか…

323-車端部

車端部です。妻窓は無く、銀色無塗装で天地寸法の大きな窓が特徴的な扉の両脇にはL字型の手摺りが設置されています。扉の取っ手は227系や207系体質改善車とは異なる形状になっていますね。

323-乗務員室仕切

乗務員室仕切は227系とほぼ同等の設計で、225系に比べて両側の窓の天地寸法が下に拡大されています。他編成と併結することは無いので貫通扉がここまで大きい必要は無いのですが、ここは共通化を優先したようです。

323-天井

天井です。照明を直管形のLED灯具に変更、それに合わせて天井の凹凸を極力減らしたそうです。吊革は引き続き枕木方向にも設置しています。なお女性専用車は照明を電球色にしており、暗い時間にはひときわ目立っています。

323-床

床敷物は砂地柄、フットラインの類いはありません。足の投げ出しは座席の設計で阻止する格好でしょうか。

323-扉323-扉2

扉は化粧板を貼ったJR西日本では標準的なもの。基本的には座席が扉の真横まで迫っていますが、右写真の通り8号車は立席スペースを大きめに取っています。その座席、特に袖仕切ですが、何となく見え方が変わっているような気がしませんか…?

323-LCD1323-LCD2

情報案内装置は321系や225系に続き液晶式、案内表示と広告用の2枚セットです。近郊型の225系はともかく通勤形の321系も枕木方向に設置されていましたが、本形式は扉上と車端部に設置しています。

323-窓

窓とカーテンです。窓配置は225系と同様、扉寄りの小さい窓が開閉可能です。225系では中央の大窓もカーテンが1列分ずつ設置されていましたが、本形式ではそのようなことは無く、2メートル弱の大きな巻き上げ式カーテンが設置されています。荷棚は前飾り付きですが、これは通勤形でも207系以来お馴染みです。

323-10人掛け

座席に入ります。8号車以外の扉間は10人掛けです。モケットは207系リニューアル車と同様の緑色、座席は袖板にスタンションポールの組み合わせで3-4-3に区切っています。座面はバケット形状で、1人当たり幅は470mmと比較的広め。そうそう、スタンションポールは黄色く塗ってありますが、どこかの私鉄と違ってしっかり塗っているようなのでそう簡単には剥がれないと思います…

323-3人掛け323-3人掛け優先

車端部は8号車も含めて3人掛け。本形式の座席は基本的には片持ち式ですが、妻面寄りには機器箱のような物が設置がされています。優先席は1席ずつ肘掛(公式にはそういう説明がなされています)がありますが、肘掛と言うよりは立ち上がる際の支えに使うことを想定したものです。優先席は各車とも外回り先頭方に設置されています。

323-8人掛け323-8人掛け優先

8号車の扉間は8人掛け。戸袋部を全て立席スペースとしており、クッションを設けて立客にも配慮しています。また優先席が扉間に設定された唯一の車両で、片側4人分を優先席としています。座り心地は207系体質改善車に近く、座面が450mmと幾分高めで詰め物がしっかり入ったものです。

323-袖仕切

珍しく袖仕切りの内側をご覧いただきましょう。ここ6~7年のJR西日本のロングシートの袖仕切は「窪みが無くモケットを貼った大きい平板」だったのですが、本形式ではそれを斜めに設置することで乗客を奥へ誘導する効果を期待したとのこと。扉の写真にあった違和感の正体は、袖仕切りの向きだったのです。そしてそこに生まれた三角のスペースに、肘掛然としたパーツを嵌め込んでいます。
この配慮が他社、の前に今までのを何とかしてほしいですが…

323-車椅子スペース

車椅子スペースは各車両に設置。2段の手摺りと非常通報装置が設置されています。


323-運転台

運転台は227系に続いて全て液晶式にしています。本形式からは保安装置に「EB-N」と称される装置が加えられたようですが、まあ要するにデッドマンのことですね… 駅間の短い環状線、1分経たないと作動しないでは問題があるという判断でしょうか。

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