521系(2次車)|FTN trainseat.net

JR西日本 521系(2次車) 

G22

2006年に登場した521系は滋賀県・福井県が費用を負担し5編成が製造されましたが、その経緯から主な運用範囲は北陸線の滋賀県~福井県にかけてが中心となっていました。一方で北陸線の普通列車には急行形の475系や「月光型」583系改造の419系が尚も活躍する有様だったため、2009年からそれらを置き換えるべく2次車が登場しました。外観こそ1次車相当ですが、2008年投入の223系2000番台と同様に車体への補強が入っているようです。

合わせて30編成が投入されましたが、2015年春の北陸新幹線開業に合わせて並行在来線が第3セクター化され、あいの風とやま鉄道に16編成が、IRいしかわ鉄道に3編成が譲渡されました。運用範囲としてはJR残存車が敦賀~金沢、IRいしかわ鉄道の車両が金沢~富山、あいの風とやま鉄道の車両は金沢から新潟県の糸魚川まで入ります。
(※右写真はオンマウスでIRいしかわ鉄道の車両の写真になります)


521B-車内全景

車内全景です。1次車に比べ吊革やありとあらゆる握り棒が黄色くなったほか、福知山線事故後の安全への施策の一環として車体各部が強化されており、どうもその影響で写真両端に写った戸袋部が妙に張り出しています。225系には最初からこのような張り出しが無く、あくまで223系車体への対策ということなのでしょうか。

写真はほぼ全て第3セクター(あいの風とやま鉄道)に移管後のものですが、変わったことと言えば広告が少なくなったことくらいでしょうか。モケットを225系並みに張り替えられた車両もあるようですが、基本的にはJR時代と変わっていません。

521B-車端部

糸魚川方先頭車となるクモハ521の車端部です。1次車からの変更点と言えば握り棒が黄色く太くなったのと、座席の袖仕切が大型化した点でしょうか。貫通扉は223系2000番台と異なり幅も天地寸法も大きいものですが、元々2両編成な上にトイレの張り出しも大きくなり、この窓を大きくしたところで…と言う感も無いではありません。

521B-車端部2

米原方先頭車のクハ520にはトイレを設置しています。1次車は223系2000番台と同じ台形でしたが、2次車では半円形としてスペースを確保しています。なお吊り広告の「イコちゃん」の後ろあたりにはトイレ表示灯が設置されているのですが、この位置に広告があると表示灯がまるで使い物にならず、その対策なのか広告枠が埋まって当然のはずの路線で活躍する関西圏の223系でも左側だけ枠を空けている様子を目にします。

521B-トイレ521B-トイレ2

トイレは従来の台形から半円形となりスペースを拡大しています。

521B-車椅子スペース

向かい側には車椅子スペースを設置。1次車に比べ窓部への握り棒追加や非常通報装置の増設が目立ちます。

521B-乗務員室仕切

乗務員室仕切は通り抜けを考慮し仕切戸が引き戸になっているなど、通常の223系とも貫通構造の5000番台とも異なる造りです。寧ろ本形式と(現状では不可能ですが)通り抜けを想定した構造となった225系とはよく似ています。なお貫通扉上の黒い物体はワンマン運転用の運賃表示機らしいですが、特に第三セクターに移行した区間では(無人駅も数駅あるんですが)全扉を開閉する実質的な都市型ワンマンを採用しているため使用していません。

521B-天井

天井です。223系よりも321系に近い基本的な構造は1次車と変わらず、カバー付き照明も健在ですが、黄色くなり数も増えた吊革が目立ちます。

521B-扉

扉は片側3か所の両開き、周辺にはある程度の立席スペースを確保しています。従来北陸線を走るローカル列車は七尾線の415系(いつまで走るんでしょう)以外全て片側2扉、それも幅の狭い急行形や狭すぎる元寝台電車が主だったことを考えると、混雑時の乗降は容易になったものと思われます。

521B-LED

扉上には千鳥配置でLED式の情報案内装置が設置されています。1次車と同様に、左側の号車表示は223系の7セグメント式に対しLED式としています。

521B-整理券発行機

一部扉横は補助座席が無く整理券発行機が準備されていますが、前述の理由でほとんど使用されていないようです。

521B-床

床敷物は茶系で模様の入ったもの、通路部分はクリーム色にしています。車端部のロングシートではフットラインの役割も…と思いましたが、クリーム色の部分は貫通扉よりも幅が狭いようで効果は無さそうです。

521B-窓

窓は1次車同様2番目・4番目にも桟が無い(下降式で開閉可能)、綺麗な五連窓になっています。カーテンは巻き上げ式です。窓框は広めに作ってあるのでペットボトル程度なら置くことが出来ます。

521B-座席転換521B-座席転換優先

座席を見ていきます。まずは転換クロスシートですが、基本的には223系2000番台や521系1次車に準じたものです。変更点としては肩部の取っ手が黄色く塗られ、径も太くなっています。この辺りは225系で全面的に取り入れられた安全性を重視する施策の一環ですが、223系の最終増備から225系が登場する頃という微妙な時期に製造されたグループゆえ一部だけ先行した形でしょうか。

521B-座席固定521B-座席固定優先

扉横は固定座席。ここだけは座席と側面のスペーサーが継続して設置されています。座面はほとんど平らな転換座席に比べ多少傾けてありますが、背摺りの方は転換座席と比べるとどうも硬いような気がします。まさか後ろの補助座席が主で背摺りが従というようなことは無いと思いますが…

521B-4人掛け優先521B-4人掛け袖仕切

クモハ521形の車端部にはロングシートが設置されています。座席そのものは1次車と同様321系と同じですが、大きな袖仕切が目立ちます。その袖仕切りは321系(521系1次車)のそれとは異なり大型化されており、立客との仕切として、また風除けとしても十分機能するようになっています。一方で座席側はモケットこそ貼ってあるものの窪み等は一切ない「壁」と化しており、まだまだ改善の余地はありそうです。
なお座席モケットの地色は緑色になっている編成もあるようです。

521B-補助座席521B-補助座席展開

補助座席は中扉付近に設置。展開すると背摺りがない簡易的な造りは相変わらずで、混雑時にはロックも可能です。重さが掛かっていないと畳まれてしまいますが、稀に開いたまま固まってしまうことがあります。


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