JR西日本キハ48形(延命工事車)|FTN trainseat.net

JR西日本 キハ48形(延命工事車)

写真: P5051752

888両が製造されたキハ40系の中にも、生まれながらの少数派が存在します。そのうち準寒地型のキハ48形0・1000番台は基本グループかのような番号に反して僅か10両のみの存在で、国鉄時代は美濃太田・敦賀に配属され国鉄分割民営化時にはそのままJR東海・JR西日本に承継されました。JR東海には寒地型500・1500番台もあったので良いものの、JR西日本のキハ48形はこの5両のみ、1991年に山口に転属した後はキハ40・47に混じって細々と活躍していたようです。

一方、1997年には智頭急行の開業で陰陽連絡の役割が無くなった津山線に、キハ58系を使用し半室グリーン車も設けた急行「つやま」と出力増強型キハ47形を用いた快速「ことぶき」が設定されました。停車駅はほぼ同一、設備は当然急行の方が良いものの車両性能は快速の方が良いという不思議な状況となり、キハ58系の老朽化が進んだ2003年、その役割を山口から移ってきたキハ48形3両が引き継ぐこととなりました。2006年から翌年にかけては延命工事も施工されています。
そもそも急行「つやま」を設定した理由が大したものでは無かったらしく、2009年のダイヤ改正では利用者減少を理由に急行「つやま」は廃止。キハ48形は一般列車にも混用されていたらしく引き続き活躍が続くものと思われましたが、岡山の車両は2010年に廃車。山口に残っていた2両は2015年に七尾線の観光特急「花嫁のれん」に改造され、これからご紹介する車内は既に過去帳入りしています。

※このページの画像はすべてシングルDXさん撮影です。


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まずは車内全景です。内装材の取替えは行われたようですが製造時からの構造をそのまま継承しており、交換された窓枠から103系や113・115系のような車内を想像していると却って驚いてしまうかも。延命工事施工時は既に急行用として使用されていた訳ですが、それを意識した改造もなされていません。冷房化はJR化後に実施、クーリングユニットを荷棚に搭載してしまったため全く使用できない箇所があります。

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準寒地向けということでデッキ付き、延命工事でも撤去することなくそのまま残存しています。継承されたキハ40形は全て暖地向け、キハ47形はそもそもデッキがありませんからJR西日本のキハ40系では唯一のデッキ付きとなります。化粧板は103系などの体質改善車に似た濃いめのクリーム色ですが、光沢がありまた違った印象。0番台はトイレ付き、出入口と向かい合う部分の座席は当初からありません。

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座席を見ていきましょう、まずはボックスシートから。延命工事施工にあたって修繕を行っているかとは思いますが、製造時からのボックスシートを維持しています。窓側足元に配管が通るのも従来通り、変わった点と言えば側窓が交換され上段上昇・下段固定式になったことでしょうか。なお所属に関わらず概ね同一メニューで行われた延命工事ですが、車体塗装とモケットは各所で異なっており、写真の岡山車は近畿圏や岡山地区の113・115系(体質改善未施工車)と同様の茶系モケットを用いています。一方で岡山の115系では上部に枕カバーを付けているようですが、本形式では行われませんでした。

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ロングシートも従来通り。こちらはトイレそばの3人掛けで、デッキ付きのキハ48形では唯一の袖仕切の付いたロングシートです。

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こちらは5人掛けロングシート。一部は優先席とされ、ピクトグラムの入ったモケットを用いています。ここまでご覧の通り内装材を交換しただけですから、座り心地に変化は無く従来通りのようです。

座席系

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