京阪8000系(リニューアル車)|FTN trainseat.net

京阪8000系(リニューアル車)

写真: 8007_n

1989年に登場した8000系も製造から20年が経過、その間に京阪特急を取り巻く情勢も変化しており、2010年からリニューアルが開始されました。外観は塗装変更の直後ですから変化ありませんが、「車端部にロングシート設置」「テレビカー廃止」など京阪特急の伝統を打ち破る言葉が並んだプレスリリースに驚かれた方も少なくないと思います。
2012年までに全編成のリニューアルが完了、2017年のプレミアムカー設置は想定外でしたが結果的に特急車としての8000系の地位が確実なものになり、2018年のダイヤ改正では快速急行以下の運用が全て消滅するに至りました。

なお2階建て車プレミアムカーはそれぞれ別頁でご紹介していますので、併せてご覧ください。


80EN-車内全景

まずは車内全景から。リニューアルで化粧板や床材なども更新され、白と黒のコントラストが激しい車内にあって枕カバーの赤や黄金色のカーテンが映えます。

80EN-車端部

車端部です。座席は特急の停車駅増加など昨今の情勢を踏まえロングシート化されており、混雑に対応します。妻部化粧板は従来号車ごとに異なっていましたが、リニューアルで統一。貫通扉部は引き続き光電式の自動扉、黒地に金の円弧を配す特徴的なデザインとしました。各車川側の広告枠にはリニューアル後も絵画が掲げられています。
ロングシート設置によって特急車の色合いが運用面では薄らぐかなあ、と思っていましたが結果的にはそうなりませんでした。むしろプレミアムカー導入という思い切った策を取ることが出来たのは、多少の詰め込みが効くロングシートがあったからかなあ…と思ったり思わなかったり。

80EN-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。車端部でもここだけはクロスシートのまま存置、それどころか大阪方は通常優先席に設定されるところ展望席という意識からか優先席の位置を変更しています。無料の2階建て車という他ではなかなか見られない展望席があっても人気は根強く、始発駅では最前席狙いの乗客の姿をよく目にしますし、それ故この部分の写真を撮るのも難易度が高く… 右側奥の座席の背が高いのはご愛敬(自動転換が上手く行かないとああなります)。

80EN-天井

天井です。ラインデリアは無く両側に空調吹き出し口、その外側に照明という配置は変わりませんが、扉から車端部にかけ空調吹き出し口と照明の間に吊革が設置されたほか、蛍光灯カバーは溶融対策か3000系同様の半円型に変更されました。

80EN-床

床は3000系同様、灰色で格子を描くデザイン。

80EN-扉

扉は引き続き片開き1100mm、流石にここは変えられません。写真は先頭車前寄りの扉で両側ともクロスシートですが、ロングシートも仕切(補助座席)の位置まで設置されており、扉横の立席スペースはあまり無いことがお分かりいただけるかと思います。化粧板は黒色に変更されているほか、これまで8000系には無かった情報案内装置がお目見えしました。

80EN-LCD80EN-LCD

情報案内装置は液晶式、全扉上に設置しています。3000系とは異なり片側に寄った配置ですが2画面化を想定しているとも思えず、鴨居部の内側の都合でしょうか。空いたスペースはロゴを入れているほか、1号車は女性専用車ステッカーも貼っています。

80EN-窓

側窓は従来通り2席に1枚の大型窓で扉間は固定式、カーテンも引き続き横引き式ながら黄金色のものに交換されています。

80EN-車端窓

車端部は高い背摺りのロングシートということで窓との兼ね合いに頭を悩ませそうですが、京阪は背摺り上端部より下は窓としての機能を殺しつつ、外観は違和感の無いよう黒塗りとする手法を取りました。横引き式カーテンも窓として機能している分のみのサイズですので、車内から見るとちょっと変な感じがするかも。

80EN-クロスシート80EN-クロスシート優先

ここからは座席を見ていきます。転換クロスシートは扉間と先頭車乗務員室直後のみの設置に変更されましたが、座席自体は従来品を採用しています。モケットは塗装変更車と同じ柄入りの黒系、唯一の変化点は背摺り肩部の転換用手摺りを赤く塗ったことでしょうか。優先席は黄色の枕カバーで区別しますが、クロスシートの優先席があるのは8号車の扉間のみ。

80EN-補助座席

補助座席はクロスシート部のみ引き続き設置。化粧板やモケット以外は変更されておらず、引き続き扉の開口部と重なる位置に設けられています。使用不可の場合は写真のように表示灯が点灯しますが、上手いこと「ELEGANT SALOON」のロゴに組み入れた格好になります。

80EN-6人掛け80EN-6人掛け優先

車端部はロングシート、基本は6人掛けです。「日本一のロングシート」を目指しただけあり1人当たり幅480mm、高い背摺りと強めのバケット形状が特徴です。袖仕切りは新3000系に続き大型、扉側にクッションを設け立客に配慮した点は評価すべきですが座席側は特に窪みも無い大きな壁となってしまっているのが残念。妻側の壁にはモケットを貼っていますが、これは過去の一般車でも見られた一方新3000系や後に登場した13000系にはありません。

80EN-車椅子スペース80EN-4人掛け優先

車椅子スペースは各車大阪方に設置。元々1993年度製造の2編成のみの設置でしたが、リニューアルで全編成に設置されています。非常通報装置やパネルヒーターなど必要なものに加え、立客を意識した大きな腰当が目立ちます。横の座席は4人掛け。

80EN-車椅子スペース2

8号車は車椅子スペースを大阪方の扉間に設置。これも最前部が通常席と位置付けの異なる「展望席」として見ているからかなあ、と思います。こちらは補助座席がある一方立客用の腰当はありません。

座席系

trainseat.net>京阪8000系[塗装変更車]
trainseat.net>京阪8000系[リニューアル車・2階建て]

trainseat.net>京阪8000系[プレミアムカー]

trainseat.net>京阪電鉄に戻る

その他

編成別写真集>京阪8000系

inserted by FC2 system