京阪9000系(ロングシート化)|FTN trainseat.net

京阪9000系(ロングシート化)

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1997年に登場した9000系は7200系をベースに3扉・固定クロスシートの内装で5編成が登場、朝ラッシュ時の特急用として投入され、2003年に始まった特急10分間隔運転の際には3扉の列車に優先的に充当されました。2008年には同様の役割を3000系(2代目)が担うこととなり、塗装変更と共にロングシート化が実施され6000系や7200系と共に8連一般車として運用されました。
しかし昨今のダイヤと車両需給を見ると一般車は7連が主力なのに古いのばかり、一方8連は新しいのにラッシュ時しか出番が無いという勿体ない状況が続いていました。そこで2015年から本形式4編成と7200系(8連)を7連化、余剰車を10000系に組み込んで8連6編成・4連2編成を7連8編成に仕立てる組替・改造を実施、老朽車の効率的な置き換えに貢献しています。

そんな訳で現在9000系としては8連1編成・7連4編成の陣容となり、他に元9000系で10000系に改造されたT車が4両あります。8連は6000系と、7連は他の一般車と分け隔てなく運用されています。なお本項の写真は全て8連時代のものを用いています。


K9000n車内全景

車内全景です。元々のクロスシートは一掃されオールロング化されましたが、「座席が変わっただけ」とも言え、従来からの化粧板や床敷物に対し新デザインに基づいた座席が妙に浮いてしまっているというか何と言うか…

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車端部は6000系以降標準の妻窓無し、貫通扉の窓は7200系から下方に拡大されています…が、右写真は同じ9000系ながら窓が従来サイズです。これは4号車[9100形]大阪方・5号車[9150形]京都方のみの仕様で、車庫内での可搬式運転台に対応するためです。気にしなければ見過ごしてしまいそうですが、窓下に設けられた2つのフックが重要で、ここに可搬式運転台を引っかけて使うとのこと。この部分については7連化の際も号車や形式番号の変更こそあれ変わっていないはずですが…

90-運転台仕切りs

乗務員室仕切は8000系で採用され、7200系から通勤車でも使用されるようになったガラス面の大きなものです。

K9000nドア190-ドア2s

扉は幅1300mmの両開き、上部は川側にLED式の情報案内装置、山側に路線図と京阪標準ながら独特の配置を採用しています。

90-LEDs

その情報案内装置は元々文字案内とマップ式の停車駅案内を兼ねたものでしたが、中之島線開業を前にマップ式を止めています。文字案内の方はそのままの位置ですが、マップ式案内に押し出されて天井に張り付く格好になったであろう広告は場所を移せそうです。

K9000n天井

天井は6000系以降の標準的な構成、扉周りの吊革はロングシート化に際し跳ね上げ式から一般的な物に変更されています。

K9000n床

床敷物は従来通りベージュ系の石目柄。

K9000nカーテン

カーテンは京阪伝統のワイヤ式フリーストップカーテン、窓は下降式ですがパワーウインドウ機構は取り止めています。

K9000n8人掛け

座席を見ていきます。まずは扉間の8人掛けロングシートですが、実は9000系で扉間のロングシートが設けられたのはこれが初めてでは無く、2002年に9005Fの中間T車4両に対しロングシート化が行われていました。今回のロングシートはそれとは別物で、京阪の従来車に比べバケット形状が強めに出ています。座面は黄緑、背摺りは黒基調で「月」をイメージした黄緑色が半円形に入った新たなデザインです。
さて乗客が触れる部分としては前述の通り「別物」ですが、袖仕切や脚台のサイズなどは9005Fのロングシートと同等のようです。1人当たり幅は470mmと広め。

K9000n6人掛けK9000n優先6人掛け

車端部は6人掛け、こちらも9005Fの例外はありますが大半が脚台から新製しているはずです。優先席はオレンジ系を用いますが背摺りにはピクトグラムと共に「優先座席」の文字を入れるなど進化しています。

90-3人掛けsK9000n優先3人掛け

乗務員室直後と車椅子スペース横は3人掛けです。窓が大きいので絶好のかぶりつきスペースとなります。座り心地は柔らかめ、10000系の詰め物がしっかりしている感覚とは全く異なります。

K9000n優先1人掛け

大阪方の運転台直後には1人掛け席が存在しますが、背ずりと座面との間に金属の板が見えるようにここだけは造りが異なっています。どうやら従来の座席のモケットを張り替えただけの模様、1両に1か所しか無いですので止むを得ないでしょうか。

特徴的なモケットを用いていたロングシート化改造車ですが、その後割と呆気なく13000系並みのモケットに張り替えられてしまったようです。同形のモケットもベースはこの9000系にあるような気はしますが、座面はともかく背摺りの方は位置合わせなど面倒な作業を強いられそうですし…

K9000n車いすスペース90-車いすスペースs

車椅子スペースは先頭車も含めた大阪寄りに設置されています。装備は握り棒とパネルヒーターらしきもの程度でしょうか。

座席系

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