近鉄16400系(更新車)|FTN trainseat.net

近鉄16400系(更新車)

写真: YS01(16401)

標準軌線の汎用特急車22000系「ACE」の投入が一段落した1996年、南大阪線用として登場したのが16400系です。車体は22000系と同一ながら、足回りは単独運用の多い吉野特急特有の事情を鑑みた結果近鉄初のIGBT素子を用いたVVVFインバーターを用いた全くの別物になりました。2連2編成が投入され、置き換えられた16000系は大井川鉄道に譲渡されました。
そんな訳で22000系よりも後に登場した本形式ですが、2015年には早々と(22000系よりも先に)車体更新が行われました。車内設備を16600系並みとし、喫煙ルームを設置する改造を実施し定員も減少しています。喫煙ルーム設置は16000・16010系にも行われており、本形式の早めの車体更新も吉野特急全体を早々と全席禁煙としたかったが故でしょうか。外観では喫煙ルーム設置のほか、電気連結器増設でスカート形状が変更されたことが相違点でしょうか。現在は塗装が変更され、他形式に混じって大阪阿部野橋~吉野間特急に用いられています。


164N-車内全景

車内全景です。モノトーンな色合いだった更新前に比べ、温かく鮮やかな色合いに変わっています。先に更新された26000系のレギュラーシートに準じた雰囲気でもあります。

164N-デッキ仕切

デッキ仕切です。茶系の化粧板はリニューアル後の26000系に近いものを感じます。なお車椅子対応部は仕切戸が両開きとされています。

164N-車端テーブル

新設された車端テーブルは16600系同様大型のパソコン対応型、コンセントも(写真ではほとんど写っていませんが)各席ごとに用意されています。

164N-LED

情報案内装置はLED式ながら22600系と同サイズのものに交換されました。

164N-天井

天井構造は従来通り。

164N-床

床敷物はフローリング調、通路部のみ灰色としています。これも26000系と同様のようです。

164N-窓

窓周りは改造前と大きな変化は無い模様、カーテンは横引き式です。荷棚の下部パネルは車端部の化粧板と同じ茶系としています。

164N-補助照明

補助照明とスポットクーラーは従来通りの設置ですが、座席番号の上、「通路側」「窓側」の記載がある面に青や緑のランプが点灯しています。これは特急券発売状況確認灯で、23000系更新車から登場した設備のようです。

164N-座席164N-座席展開

座席は22600・16600系に準じていますが、よく見ると仕様が微妙に異なっています。最大の相違点は中央肘掛の構造で、背摺り側面に1席ずつ設けていた構造を止め、一般的な脚枠から肘掛を立ち上げる構造としています。このため肘掛は一体化されましたが、リクライニングと同時に肘掛も傾くような事態は発生しないようになりました。続いて背摺りのヘッドレスト部で、26000系の更新車と同様張り出しの小さなタイプとされています。26000系と同時期に更新した30000系は(コンセントが無い以外)22600系と同様の造りで、差異が発生している理由がよく分かりません。座面は良いものの背摺りが硬いのは16600系と同様、シートピッチは改造前と同じ1000mmです。
モケットは更新後の26000系と同様、赤系でも鮮やかな桜色としています。

164N-座席背面

座席背面です。背面テーブルやフックの新設などが目立ちますが、16600系などに比べポケット部分の背摺り形状が変更され彫りが深くなっています。

164N-フットレスト

フットレストは金属製の土足使用面のみに単純化されています。短時間乗車ゆえ割り切ったのかと思いましたが22000系更新車でもこのタイプが採用されており、省力化を狙ったもののようです。写真右方にはコンセントが設置されていますが、周囲と同化してしまっており全然目立ちません。位置としては座席中央となり、争奪戦も懸念されます。

164N-座席(1人)164N-座席(1人)展開

車椅子対応の1人掛けは16600系と同等の造り。


164N-扉

デッキは化粧板を張り替えたようで、扉も同様に変更しています。また端部には通勤車と同様戸挟みに注意を促す黄色い縦帯も入れられています。

164N-洗面台

便洗面所は阿倍野橋方先頭車の車端部に設置されていますが、レイアウトを16600系に合わせるべく根本的に作り直しているようです。写真は洗面所、自動の手洗い・石鹸に加えハンドドライヤーも一体としたタイプです。近隣だと南海12000系でも採用されています。

164N-トイレ164N-トイレ2

トイレは16600系並みとされましたが内外とも化粧板が変えられており、特に内部は木目調で大きく印象が異なります。

164N-トイレ3

男子小用便所です。こちらは内部レイアウトからして16600系とは異なっており、16600系でほとんど役に立たなさそうな造りになっていた手摺りも大型化され実用的になっています。

164N-喫煙スペース

近鉄特急の標準設備になりつつある喫煙ルーム、吉野特急ではその動きが早く進みました。内部構成は16600系並みながら、緑色を用いた化粧板や座席モケットが目立ちます。


164N-運転台

運転台は縦軸ツーハンドルで従来同一に見えます。写真はありませんが乗務員室仕切の仕切戸は相変わらずオレンジ色の着色ガラス、見えないことはありませんが前面展望には向きません。

座席系

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