近鉄6820系|FTN trainseat.net

近鉄6820系

写真: AY21(6821)

2002年に登場した6820系は、近鉄各線に展開された新しい一般車グループ「シリーズ21」の南大阪線用として登場しました。2両編成で見た目は標準軌線の9020系とほぼ同じですが、足回りは単独走行を考慮し主回路を二重系に、主電動機は標準軌線ほどの高速走行が無いため出力を低めにするなど条件に合った変更がなされています。
本形式は現在のところ2連2編成のみの少数派で増備の気配は無く、既に製造から15年を経過しているので仮に新しい一般車が出てきても新形式になるでしょうか。数は少ないながら赤白ツートンばかりの一般車にあって目立つ存在です。


682-車内全景

車内全景です。「シリーズ21」の共通事項ですが、屋根形状が変わった影響か、数値上は大きく変わらないながら従来車に比べ屋根が高い印象です。床敷物や座席モケットの色が変わったことで車内が明るくなったほか、袖仕切のパイプに色を付けたことで目立たなくなり車内を広く見せるのに一役買っていそうです。一方車内での6820系独自仕様というのは殆ど見当たりません。

682-車端部

車端部です。従来の一般車にあった妻窓は廃され、代わりに広告枠が設置されています。貫通扉は従来に比べ幾分広くなり、取っ手も大型化して通り抜けを容易にしています。なお車椅子スペースは2両編成ながら2両ともに設けられています。

682-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。従来車の仕切戸は中央にあって貫通させる際は運転台を仕切る役割も持っていましたが、「シリーズ21」では引戸として車掌台側に寄せています。形式図を見ると中央部には何か機器があるようですが、何とかならなかったのかなあ、と思わないでもありません。

682-床

床敷物は灰色系の石目柄。

682-天井

天井はラインデリアや冷房吹き出し口以外にもレール方向のラインが多数入っており、蛍光灯のカバーにもそのラインが見えます。吊革は扉間の一部を低めにして背の低い乗客も使用できるよう配慮しています。

682-扉

扉は片側4か所、写真は情報案内装置付きです。窓は複層ガラス化、幅は従来車に比べ狭くなりました。

682-LED

扉上には千鳥配置でLED式の情報案内装置が設けられています。

682-窓

窓とカーテンです。窓は扉間・車端とも1枚としており、車端と乗務員室直後の扉間は開閉可能です。カーテンはフリーストップ式。

682-6人掛け

座席は扉間と車端の2種類、先に扉間の6人掛けをご覧いただきます。1人当たり幅が485mmと驚きの広さを誇ること、また戸袋部には両側に肘掛を設けた「らくらくコーナー」とした点が特徴です。しかしながら座面が薄く硬く傾きが足りない、まるで話にならない造りになってしまっています。
袖仕切は袖板とパイプを明確に分けた他に無い構成ですが、座席の肘掛と立客がもたれ掛かるパーツを明確に分離した実用的な造りです。

682-4人掛け

車端部は4人掛け、少し暗い写真になってしまいましたが背摺り下部は窪んでいてオレンジ色のパーツが入っており、「シリーズ21」ではこのパーツがある個所が優先席とされています。なお吉野・河内長野方先頭車には6人掛けの優先席や4人掛けの通常関もあるはずですが、何れも撮り逃してしまいました。

682-車いすスペース

車椅子スペースです。握り棒は少なめ、妻面には非常通報装置がありますが、裾絞りのある車体形状に対して立客がもたれ掛かりやすいよう「パーチ」を設置するなど普段使いにも配慮しています。


682-運転台

運転台は電気指令式ブレーキの採用でデスクタイプになりましたが、操作性の観点から従来通りのツーハンドル。

座席系

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