名鉄1200・1800系|FTN trainseat.net

名鉄1200・1800系

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名鉄が南海に続いて指定席車と通勤車による自由席車を併結した「一部指定席車の特急」を登場させたのは1990年。翌1991年には指定席車と自由席車を1編成にまとめた車両が登場、併せて自由席車の増結用車両も登場しました。それが今回紹介する1200・1800系です。1000系「パノラマsuper」に外観を合わせて極力違和感のないように配慮する一方、車内に目を向けると3扉の転換クロスシート車という新たな分類が誕生しました。足回りは1000系と併結する1200系は1000系と同等、1800系は通勤車6800系をベースにしたものですが、高性能なパノラマカー7500系の機器を流用した1030・1230系及び1850系も登場しました。
1200系は各線の快速特急・特急で、1800系は快速特急・特急の増結のほか昼間を中心に普通などでも使用されています。機器流用の各形式は数年以内に姿を消すようですが、1200系についてはリニューアルが行われるようで今後に注目です。


(20)車内全景s80-車内全景

車内全景です。一応左が1200系、右が1800系ですが、基本的な車内の設計は一緒なので、同時に見ていくこととします。これまでの名鉄の一般車両は車内にもどこかしらに赤を使っている場合が多かったのですが、白い化粧板に茶色い座席モケット、床もクリームと緑で落ち着いた色遣いに仕上がっています。3扉・クロスシートの配置です。

80車端部

車端部です。この部分にもクロスシートが配されています。車端部の構成は6500・6800系に準じていますが、貫通扉の上にLED式の情報案内装置が設置された点が特徴です。この構成は1993年登場の3500系など通勤車にも引き継がれます。

(20)特別車境s

こちらは1200系の3号車、特別車への入り口です。但しこの向こうがすぐ特別車という訳では無く、車掌室か便洗面所が設置されています。更に2号車に進むと特別車ですが、まず3号車に無かった車掌室か便洗面所が現れます。この構成だと躊躇してしまいそうですが、一般車利用客でも便洗面所は利用可能です。

80運転台仕切り80-乗務員室仕切

乗務員室の仕切りです。左側は車いすスペースの無いグループで、情報案内装置が付いた以外は6500・6800系と同じです。一方車いすスペースが設置された車両では運転台直後の窓が大きくなっています。この構成は3500系など以降の通勤車にも引き継がれています。

80willsta(80)LED-sps

車端部のLED式情報案内装置です。かつては停車中~発車すぐまで種別と行き先を表示し、発車すぐにスピードメーターに切り替わることが多かったですが、現在は後の通勤車と同じように次駅案内や乗り換え等もテロップ表示で案内するようになりました。なお特急では以前から中日新聞ニュースなどを流しています。因みに常滑線にある聚楽園駅の「聚」の字が表示できないとか何とか…

80-扉

扉です。扉自体は通勤車と同等ですが、化粧板仕上げでは無く塗料を塗っているようです。扉付近はスペースを広く確保、ラッシュ時にもある程度対応しています。「ある程度」と書くのは対応しきれていない場面があるからなのですが…

80-天井

天井です。ラインフロー式となっており、吊革の内側にあるレール方向のラインが冷房の吹き出し口です。蛍光灯はカバー付き、撮影時は節電対策で蛍光灯を1両2か所抜いていました。吊革はやはり天井から直接ぶら下げています。なおこの構成、1997年に登場した通勤車3100・3700系でも採用されています。

80-床

床はクリーム色基調、通路は緑色のラインが貫いています。

80-側窓

この形式の特徴である窓を見てみましょう。特別車の1000系と同じく慣れない楕円形の形で統一されていますが、大きさは特別車の半分程度です。扉間に2枚窓がありますが座席は3脚、真ん中の列は柱とご対面… カーテンは横引き式です。
ちなみにこの窓配置自体は2200系一般車や本線系のステンレス製通勤車などにも採用されています。

80-クロス80-クロス優先

座席を見ていきましょう。先頭車の乗務員室直後以外の通常座席はこの転換クロスシートです。バケット形状を意識した座面や区分されたヘッドレストなどを見ると、どちらかと言うと1つ前のクロスシート車である5700系などより競合するJR東海の311系などの方が近いように見えます。シートピッチは900mmながら足元が空いているので広々としています。右側は優先席ですが、枕カバーに優先席のマークを入れることで区別しています。名鉄の優先席はモケットで分ける場合が殆どで、古い車両はステッカーのみでしたから少し珍しい部類かもしれません。

80-ロング

ロングシートは乗務員室直後にのみあります。同時期の通勤車と同じかと思いきや、バケット形状がはっきりしたものになっています。

80-車いすスペース

製造のグループは運転台直後に車いすスペースが設置されています。

80-仕切り(補助座席)(80)補助座席展開s

扉間にある補助座席です。5700系などのものをベースにしていますが、以前は5300・5700系と違い展開状態で固定しておくことが可能でした。しかし2010年ごろからは重さが掛かっていないと畳まれるように変更されています。右側の写真は展開状態で固定が可能だったころの写真です。

80補助注意s80-補助座席プレート

補助座席の注意書き。左は以前のもの、右は現在のものです。現在のものは以前のものの上にプレートを貼って対処しているようです。

80-化粧板80-仕切り蹴込み

仕切り兼補助座席を転換座席側から見てみます。仕切りの裏側には化粧板が貼られていますが、これがどういう訳か2種類あり、ごく稀に混在している車両があります。右側の写真は仕切の下部の様子です。5700系などにはなかった蹴込が設けられています。

80-車端仕切り(80)ミニデスクs

座席との仕切、こちらは補助座席の無い車端部です。補助座席併設のものを見た後だと随分シンプルに見えます。座席側を見てみると、小さなテーブルが設置されています。飲み物や携帯電話を置くのにはちょうど良いサイズではありますが、使われている様子をはあまり見かけませんし、ゴミが置かれていることを見る方が多いような気がします。

前面展望はこんな感じ。立ってかぶりつきをすればそれなりに良い景色が眺められると思います。

80-運転台(80)前面展望s

運転台は所謂「金魚鉢」スタイルの6500・6800系に似ていますが、色遣いの問題か別物のように見えます。右側は前面展望の様子です。


1380系

1384

1992年に登場した1030・1230系は、7500系の機器を流用した車両でした。床下機器が古いからと言って運用は分けられていませんでしたが、4編成が製造されたうち1134Fは2002年に踏切事故に遭遇、特別車側2両は大破し廃車になってしまいました。一方で一般車側4両は損傷も少なかったため先頭車化改造などを行い4連の一般車として再登場しました。このような経緯ですから1編成しか存在せず、犬山線~本線東側を中心とした運用が組まれています。

38車内全景s

とりあえず車内全景です。1384号車で撮影しました。基本的には先に掲載した1200・1800系と何ら変わりません。広告が全く無いのが気になりますが、撮影したのは定期運用が無かった2008年下半期ですのでその兼ね合いかもしれません。

38運転台仕切りs

モ1384の乗務員室仕切です。前述の通り元の3号車は他より車体長が長く、この車両も元々はクロスシート2列と車掌室が設けられていました。そのため乗務員室直後の空間がやけに広くなっています。

383人がけロングs

乗務員室後ろのロングシートは3人掛けとなりました。この一族の中で唯一乗客に挟まれる座席にもなっています。実は扉側にはまだ余裕があるのですが、元の構成を極力変更しないようにするため立席スペースとしています。

38車いすスペースs

車いすスペースです。この広さで窓が無いのでかなりの違和感があります。車いすを同時に2脚載せることが出来るのではないか、と思う広さです。或いは2人掛けの座席を設置しても良かったのでは…

38運転台s

モ1384の運転台です。新設されたものですが構成は他車に合わせてあります。乗務員室仕切の画像の通り、運転台側には着色ガラスが使用されていますので緑色に写ってしまいました。

座席系

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