名鉄2000・2200系|FTN trainseat.net

名鉄2000系・2200系[特別車]

20062206N

2005年開港の中部国際空港アクセスに備え、名鉄では特急車を2形式新造しました。1つは全車特別車で車体傾斜装置を備えた2000系「ミュースカイ」、もう1つは名鉄特有の一部特別車編成とした2200系です。いずれも外観は似通っていますが2000系は空港アクセスに特化した形式として青を用いた一方、空港アクセス用として登場しながらそれ以外の用途に用いられることも想定された2200系は名鉄伝統の赤を用いています。
2000系は3連10編成でデビューしましたが、乗客増を受け翌年には2編成の増備と全編成の4連化を実施、主に岐阜・名古屋・新鵜沼~中部国際空港間の最速達列車「ミュースカイ」に使用されます。一方2200系は6連4編成でデビューしましたが、2007年に5編成、2015年以降に3編成が増備され、現在は中部国際空港発着の特急のほか本線や犬山・河和線などの特急でも使用されており、朝夕には3100・3150系と併結した8連での運用もあります。

一応別々の形式ではありますが、車内については似通った部分が多いため2000系と2200系の特別車部分をまとめて紹介します。なお形式による相違がある個所については都度触れていきます。


20-車内全景22-車内全景

まずは車内全景から。従来の特別車は1000系の灰色系や1600系の茶系など落ち着いた色遣いが多かった中、鮮やかな青系のモケットを採用しています。加えて天井や壁などは白系を用いており、軽快な印象も与えています。なお写真は左が2000系、右が2200系です。

22-デッキ仕切20-デッキ仕切2

デッキ仕切です。扉は1600系に続いて大きな荷物にも対応した両開き、手前には座席1席分相当の荷物置場が最低でも一方に設置されています。空港開業時に製造された車両は全車が左写真の状態で、2006・2007年度製造車は車椅子対応席を除き全て右写真の状態で製造されています。

20-デッキ仕切

初期に製造された車両についても座席配置と荷物棚を2006・2007年度車に合わせる改造を行いました。ところが2200系については2015年度以降、新造車に合わせて座席の再設置を行ったため、現在は2000系固有の仕様になっています。

20-荷物置場20-荷物置場2

荷物棚は2種類、左が当初より設置している区画、右が増設した区画です。両者とも下段を大型スーツケース置場としていますが、後者の上段は既存の荷棚も残されているため3段構成となっています。もともと座席があった場所ですから窓があり、カーテンを常時閉めているため外から見ても意外に目立っています。なおスーツケース置場のステッカーは近年貼られたものです。


情報案内装置は名鉄初の液晶式、列車案内は勿論のこと名鉄伝統の前面展望も時折表示されます。
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20-天井

天井です。メインの照明は間接照明ですが、中央には所々スポットライト的な灯具もあります。

20-窓

窓は2席で1枚、カーテンをフリーストップ式としたため間に細い柱が立っています。見づらいですが窓上には補助照明があるほか、窓枠の枕木方向にフックがあるのが特徴です。荷棚の照明は飾り灯で、駅に近づくと点滅します。

20-床

床は淡い灰色をベースに、枕木方向に濃灰色の帯が入ります。

20-2人掛け20-2人掛け展開

座席は出入口付近の一部を除いて2人掛けの回転リクライニングシートです。1600系のそれをベースとしつつも、座面にチルト機構を加えたり背摺り肩部にグリップを追加するなど改良がなされています。リクライニング角度は従来車同様控えめ、乗っても1時間半程度という乗車時間を考えると妥当なところでしょう。モケットは鮮やかな濃淡ブルー。

20-2人掛け背面

背面にはテーブルと網ポケットを設置、1600系で見られた背面(テーブル・ポケット部)のシェル構造は止められています。なお2000系の網ポケットには広報誌「Wind」が備え付けられています。

車内案内(2000)s車内案内(2200)s

背面テーブルには車内案内のステッカーを貼っています。左は2000系、右は2200系ですが、いずれも編成全体(2200系は特別車部分のみ)を1枚に載せています。なお2200系は後述の座席再設置のため現在とは内容が異なります。
合わせてチェックしたいのがテーブルラッチのチケットホルダー、現在はすっかり定着した設備ですがデビュー当時には無く2006~2007年頃にお目見えしたアイテムです。

20-1人掛け(車椅子)20-1人掛け(車椅子)展開

車椅子対応席は両形式とも便洗面所を設けた車両の一番近い場所に設けられています。2000系においては現在も唯一の1人掛け席となります。

20-1人掛け(車椅子)背面

脚台にはベルトが、肘掛後面には固定具が設置されています。

22-1人掛け22-1人掛け展開

車椅子に対応しない1人掛け席は現在2200系にのみ設置されています。当初用意された車両では2000・2200系ともに存在していましたが、2006・2007年度製造車に合わせる改造で一度全廃され、一部は一般向けに販売されたようです。再登場したのは「パノラマsuper」の運用置き換えを念頭に置いた2200系増備車が登場してからで、今度は既存の2200系もこれに合わせて1人掛け席を設けることになりました。

ただ問題は2007年に製造された2200系で、当該箇所の座席は「新設」になるので窓が無いんですね… 中々捕まえられずにいますが、写真を撮れたら追加します。

リネン(2000)s

2000系と2200系で異なるものの1つに枕カバーが挙げられます。当初は両形式とも不織布製で2000系は「ミュースカイ」、2200系は「meitetsu」のロゴが入っていましたが、前者は早期にしっかりした布で出来たものに変更されています。なお2008年にはポケモンラッピングを施した編成の枕カバーが全日空の「ポケモンジェット」と同じものに交換されたこともありました。


■デッキと付帯設備■

20-デッキからs

デッキの構成も1600系がベースですが、透明感のある水色の化粧板が1600系とは対照的です。冊子入れの付いた鏡は名鉄特急車共通の設備ですが、冊子入れに冊子が入っているのを見たことがありません。

20-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。窓があるのは仕切戸のみ、必要無いと言えばそれまでですが名鉄の車両で車掌台側にすら窓が無いのは珍しいような気がします。

ローレル賞記念板s

2000系は2006年度のローレル賞を受賞しており、全車の乗務員室仕切にプレートが掲げられています。

22-扉

扉は横幅1000mmと特急車としては広めの設計。大きな荷物のある空港利用者を念頭に置いたのは勿論ながら、短時間で乗降を済ませなければならない名鉄名古屋駅の存在も影響しているでしょうか。

エンブレムs

少し暗めのデッキにスポットライトで浮かび上がるのは2000系のエンブレム。

22-洗面所洗面台s

2000・2200系とも2号車に便洗面所を設置しています。まずは洗面所、例によって基本的な構成は1600系同様ですが、天板部分をガラスとし下から照明を当てる斬新な造りです。デッキ自体が少し暗めの中、この「光る洗面台」の存在感が際立ちます。なお1600系で設置されていたジェットタオルは省略されています。

20-トイレs22-トイレ2

続いて車椅子対応の洋式便所をご覧いただきます。配置や内部の配色は1600系同様ですが、便器や(写っていませんが)ベビーベッドなどは形状が異なっています。

22-トイレ(押釦)

トイレの開閉は押ボタン式ですが、何故かボタンは開閉とも2つずつ。実は上下のボタンでは扉の開き具合が異なっており、カバーで覆われている下のボタンを押すと扉が全開、上のボタンだと3分の2程度のみ開きます。

20-トイレ320-トイレ4

1600系では洗面所の横に自動販売機を設置していましたが、本形式では男子小用便所を設置しました。形式図を比較してみると、洗面所を微妙に客用扉側に移して場所を捻出しているようです。

通路s20-ドア注意s

隣の車両との間にはセンサー式の自動扉を設けています。


■乗務員室■

20-前面展望

2000系は前面貫通式、しかも幌蓋付のため前面展望は全く望めません。それどころか運転台からの視界も悪いようで、運転台上部には補助モニタを設置しています。

20-前面展望s22-前面展望新

一方の2200系は外観の割に非貫通、2000系と異なり運転台周りには余裕があります。また中央部にも窓が設けられており、一応前を見通すことはできます。中央の窓は長らくフィルムを貼っていましたが、2017年頃からそれを止めたようで視界も幾分クリアになっています。

貫通扉s

2000系が2編成併結した場合の乗務員室。扉を組み合わせ運転台に入れないよう通路を構成します。

運転台s

運転台に近づけるのは2000系の2編成併結時のみ。300系をベースにしつつ貫通形のためコンパクトな造りが特徴。

22-運転台s

2200系は乗務員室の配置が異なるためか仕切戸の窓から運転台を覗き見ることが出来ます。

座席系

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