名鉄6500・6800系(金魚鉢・クロスシート車)|FTN trainseat.net

名鉄6500・6800系 クロスシート車(金魚鉢)

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1984年に登場した6500系と6000系9次車、更に1987年登場の6800系(2連・界磁添加励磁制御)はいわゆる「鉄仮面」スタイルで登場、この間車体は側面幕設置や冷房強化、乗務員室後ろに小窓を設置するなどの変更がありましたが、車内は大きな変化が無く増備が続きました。元号が平成になり、名鉄としても金山総合駅建設や世界デザイン博を控えた1989年にも変わらず6500・6800系が増備されましたが、前面は左右非対称の大きなパノラミックウインドウ2枚、側窓は金色のフレームに扉間3枚・車端2枚を連続窓風に仕上げるという、別形式にしても不思議ではないほど大きな変更を行います。この車体はファンから「金魚鉢」と呼ばれ、前面・側面とも5700・5300系を意識しているようにも思えますが、その後10年の名鉄通勤車の基本デザインとして各部を変更しつつ引き継がれていきます。両形式とも名鉄各線で活躍していますが、この見た目・この車内の6800系が22編成あるのに対し、同じ仕様の6500系は僅か5編成しかありません。また6800系にはワンマン対応改造を受け尾西線や豊川線を中心に使用される編成があります。

車体は大きく変更されましたが、果たして車内はどうなったでしょうか。


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まずは車内全景です。従来の6500・6800系に比べると、窓の構造が変化したことや座席が大型化したことでその印象は随分異なります。色遣いや3扉・セミクロスシートの座席配置は全く変わっていません。「鉄仮面」のページに続いて同じ写真を2枚載せている場合は左が登場時からの段織りモケット、右が取り換えが進んでいる柄入りモケットですが、最近は登場時からのモケットが急速に減少しており「金魚鉢」のグループに関しては消滅したものと思われます。

68-車端部

車端部です。「鉄仮面」に続き濃い木目調の化粧板と白の貫通扉です。

68-乗務員室仕切

運転台の仕切りです。運転台側は従来と同じ窓サイズですが、前面デザインや5700・5300系の影響もあるのでしょうか、車掌台側窓の天地寸法が拡大されました。ちなみに写真の車両は1989年度製造で運転台側の窓押さえがクリーム色に塗られていますが、1990年製造車では無塗装になっています。乗務員室の系統板掛けの形状と共に、製造時期の差異が現れる数少ない部分です。

68-天井

天井は変わらず一直線に貫いたラインデリアの両脇に、カバーなしの蛍光灯と直接吊革がぶら下がっている格好です。

68-床

床も今までと同様、扉周辺が赤色、その他は灰色の塗り分けです。そろそろ赤の色褪せが目立ってきました。

68-扉

扉も今までと同じです。

68-窓

窓です。窓と窓と間の柱が細くなり連窓風、開く窓は少なくなりましたがこれも一段下降窓に変更されています。これらは5300・5700系の車端部と同様の造りです。一方カーテンは従来通りのロール式。

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ここから座席に入っていきます。まずは扉間のクロスシートですが、いわゆる「鉄仮面」から更に立派なものになりました。横幅は変わりませんがシートピッチは840mmに広がり、背摺りも高くなってビニール製枕カバーも設置されました。肘掛は形状が変更されプラスチック製になっています。

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座席の後ろ側をご覧いただきます。上部のみモケットが回り込んでいて、その他は車端部と同じ木目調の化粧板が貼られています。さてこの写真で気になるのが枕カバー部分ですが、実は何度か形状が変更されています。最初は写真手前の座席のように後部まで回り込んでいたのですが、途中からは奥のように後ろに回り込む前でモケットになるよう変更されました。何でも枕カバー部分がよく破れた(破られた?)と言う話ですが、いずれにせよ補修に手を焼いていたのでしょう。そして…

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2013年ごろから6500系で、2015年ごろからは6800系でも枕カバー部分が他と同じモケットに変更されています。このスタイルの車両の数が少ない6500系は早くも大半が変更されてしまったような気がします。

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肘掛は裏側にもモケットを貼っています。

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中央扉付近には3人掛けのロングシートが設置されています。座面はバケット風の縫込みを止め、背摺りは腰のあたりで折れ「く」の字の形をしています。袖仕切りは1986年の5700・5300系に続きパイプと板を組み合わせたタイプになっており、化粧板は車端部に合わせた濃い木目調。

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「鉄仮面」では扉横とクロスシート側で異なっていた袖仕切りですが、「金魚鉢」グループでは縦に伸びるパイプが無いだけで同じ形状のものになりました。

68-5人掛けs68-5人掛け

車端部は5人掛け、ロングシートは1人当たり430mmとなっています。

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豊橋方車端部は扉側2席に優先席が設定されています。元々のモケットは背摺り部分だけ段織りでは無く違った質感になっていました。写真の部分は色が剥げたのか何なのか、一部が茶色くなっています。

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運転室後ろは2人掛け、こちらは優先席では無い岐阜方です。

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一方こちらは優先席に指定されている豊橋側。旧モケットの優先席背摺り部分は段のあるものと無いものの2種類がありましたが、段が無いものの方が多かったような気がします。

座席系

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