名市交N1000形(初期車)|FTN trainseat.net

名古屋市営地下鉄 N1000形(初期車)

蜀咏悄: msN1101

1983年に登場した東山線初の冷房車5000形も製造から25年が経過し、内外装に加え走りでも老朽化を隠せない状態になっていました。既に運用数の減少で2編成が廃車されていた同形ですが、2007年からは本格的な置き換えを行うべく登場したのがN1000形です。前面の印象的なブラックフェイスと日車式ブロック工法、それに名古屋市営地下鉄では初めてLED式の行先表示器を採用した点が特徴です。
2010年まで毎年1編成のペースで増備された後、2012年からは同線のATO運転開始とホームドア設置に向けて5000形を急ピッチで置き換え、2016年には21編成の勢力になりました。スローペースだった最初の4編成と、打って変わって集中投入された2012年以降の増備車では内装が変更されており、今回は前者をご紹介します。


msN10-車内全景

車内全景です。基本的な車内構成や配色は5050形を引き継ぎ、技術の進歩や近年の流行を取り入れ正統進化を遂げた印象です。そして本形式が置き換える5000形に比べるとその差は歴然、冒頭に述べた走りの面では5050形以上の安定感です。

msN10-車端部1A

車端部です。最大の特徴は貫通扉を各車1か所に設けた点で、従来車が編成1か所で原則開け放っているのに比べると大きな違いです。貫通扉が無くて当たり前だったためか、貫通扉の大きな窓には衝突防止のステッカーが貼られています。各車1か所と言うことはこの写真の向こう側は扉が無い訳ですが…写真を取り損ねたようです。

msN10-乗務員室仕切msN10-乗務員室仕切A2

乗務員室仕切です。登場時は従来車並みの構成ながら仕切戸と車掌台側の窓を一体に見せる特徴的な造りでしたが、2015年に行われたATO対応改造で大きく変更されました。車掌台側の窓が埋められたのを筆頭に、窓は3か所とも何らかの変更が加わっています。

msN10-天井

天井は特に何も言うことの無い一般的な構成ですが、高さに余裕の無い第三軌条集電の地下鉄が通常の車両と遜色ない構成になっている点は技術の進歩を感じます。

msN10-床

床です。実際は写真よりも茶色く、石目柄が入っています。フットラインに見える2本の線は単なる継ぎ目のようですが、初期車は床材の不具合で張り替えが行われたとの話も聞きます。そういう訳ですので、現在はどうなっているのかよく分かりません。

msN10-扉A

扉は全体的に従来車に近い印象。出入り口付近の滑り止めを黄色くしたのは名市交では本形式が初めてです。

msN10-扉上LED

情報案内装置はLED式、上飯田線7000形に続いて扉上に千鳥配置としています。二段式として情報量も増えているほか、その下には扉の開く方向を案内する表示灯も設置しています(こちらは全扉に設置)。

msN10-窓

窓は扉間2枚・車端1枚と5050形並み。カーテンが無いのは従来通りですが、UVカットガラスを採用して細やかながら地上区間でのサービスアップにもなっています。

msN10-7人掛けA

座席に入ります。扉間は7人掛け、5050形に続いてバケットシートです。モケットは従来車を踏襲する橙色ですが柄入りで、背摺りもバケット形状になっています。座席幅は1人当たり460mmに拡大、背摺りを含めた奥行400mmはかなり浅めですが鶴舞線などに比べて200mm以上狭い車体幅のことを考えると致し方ありません。
袖仕切が2種類あった上飯田線7000形から間が4年ありますが、同形で採用された何れかに近い形状になるのが順当な流れでしょう。ところが出てきたのはそのどちらでも無く、1990年代の名鉄電車に近い袖板2枚と縦パイプの組み合わせ。ここも5050形のそれを進化させた感じなのでしょうか、もっともこれは長く続かず直ぐに別の形状が出てきました。

msN10-3人掛けmsN10-3人掛け優先

車端部は3人掛け。優先席のモケットは彩度を抑えた青で、続く桜通線の6050形にも採用されました。座り心地はやはり奥行の浅い点が致命的ではありますが、こればかりは同線の車体幅に加え混雑のため通路幅をしっかり取らなければいけない関係でどうしようもありません。背摺りに幾分傾斜がついたこと、また5050形の詰め物材質を変更したグループに比べると良くなっているので、全体的に見ると若干ですが良くなっているような気もします。

msN10-車いすスペース2msN10-4人掛けA

先頭車の車椅子スペースは乗務員室の扉を挟んで直ぐに設置。面積を広く取ったことと、座席横の仕切りが分厚いために座席は4人掛けになりました。仕切りは厚さ200mm、その中には消火器や機器類が収められています。車椅子スペースの設備は非常通報装置と握り棒のみと従来車並みです。

msN10-車いすスペース

本形式から各車に車椅子スペースが設置されています。設備は先頭車と同様、立席スペースとしての役割も期待したいところ。

座席系

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