南海2000系(後期車)|FTN trainseat.net

南海2000系(後期車)

写真: n2039

1989年、「ズームカー」21000系を置き換えるべく登場した2000系。従来車とも併結可能である点を生かし、一時は比較的新しい(22000系→)2200系と共存する方針でした。ところが両形式の併用は問題もあったようで、1995年からは従来のズームカーを全て置き換えることとし、仕様変更された5~7次車として44両が製造されました。車体は3・4次車と同様にビードが少ないもの、1・2次車以来となる4両編成は相違点も多いためか40番台に区分されています。

本グループの増備で高野線橋本より奥に入る運用は全て2000系になりましたが、21世紀に入ってからは17メートル級・2扉の車体構造から徐々に運用が減少、2005年には難波~極楽橋を直通する急行が大幅に減少したことが決定打となり余剰車が発生、一部編成は1年以上の休車期間を経て2007年から南海本線で再デビューしています。高野線では急行系の列車で、南海本線では普通でそれぞれ活躍しており、扉の数が異なることから駅の時刻表にも注記が入っており容易に判別することが出来ます。


20-車内全景

普段より幾分下がり気味に車内全景をご覧いただきます。基本的には1000系の設計を反映した3・4次車に倣った構成で、モノトーンな車内も同様ですが、本グループでは混雑対策のため座席を減らして立席スペースを確保しています。それにしても扉上のカバーが大きいこと…

20-車端部

その割には車端部にはボックスシートを設けました。1000系に倣って設置されたものではありますが、特急では無い一般列車でも観光輸送を念頭に置いた形でしょうか。もっとも扉からの奥行が深いので、1000系とは異なり手前にロングシートを配しており、更にその手前には広い立席スペースも設けています。妻窓の廃止はボックスシート設置によるもので、以後登場した一般車両には従来車と同じく設置されています。

20-乗務員室仕切

乗務員室仕切は4次車までと同等で、非常に大きな窓が目立つ仕切戸もそのままです。

20-扉

扉は南海では珍しく化粧板張りとしています。扉付近の立席スペースは、本来の役割に加え高野山に向かう観光客の荷物置場としても重用されている様子を見掛けました。
製造時期の割には情報案内装置の類いがありませんが、1次車登場から僅か5年の間に一般化したものですから未設置車との兼ね合いが難しかったものと思われます。

20-天井

天井です。中央にラインデリア、両脇に空調吹き出し口を設けた一般的な構成。照明はこちらも南海では珍しいカバー付き。

20-床

床は模様入りのクリーム色。

20-窓

窓は一段下降式で2連窓を扉間に3つ、車端に1つ設けています。巻き上げ式のカーテンは3段階で調整可能。荷棚は本グループも引き続きアクリル製。

20-14人掛け

座席を見ていきましょう、まずは扉間の14人掛けです。車端にクロスシートを配した代わりでしょうか、扉付近のスペースを従来より広く取ったために4次車までの16人掛けから2人分減少しています。造りとしては3・4次車と同様で、中央部に仕切りの入るバケットシートです。

20-2人掛け

車端部の扉横には2人掛け席を配置。袖仕切りは1000系と同形状で、肘掛部分に樹脂製パーツを当てる配慮が見られます。車端側はクロスシートの壁で肩逃しの類いが無いため些か窮屈かもしれません。

20-ボックスシート20-ボックスシート

車端部には1000系と同等のボックスシートを設置。元々ロングシートだった車両の車体にクロスシートを設けた格好になるため座席と窓割の関係が今一つだったり、扉側にはロングシートがあるのにも関わらず立客向けと思われるクッションがあったりと、どうも取って付けた感が漂います。
基本的な造形は1000系と同一で、妻面側も幅をしっかり確保、ボックスピッチは不明ながら1000系と同じ1665mmはあるはずです。ただ座面の沈み込みが今一歩かな、というところ、高野線急行では乗り通すと1時間半程度の長時間乗車もあるだけに惜しい感はあります。

20-車椅子スペース

車椅子スペースは和歌山方先頭車を除いて和歌山方車端部に設置されています。設備は手摺り1本と最小限、側面の黒い四角はヒーターでしょうか。クロスシート下には消火器を配していますが、ピクトグラムが灰色では目立たないような気がします。

20-12人掛け

和歌山方先頭車は扉間の片方の座席を12人掛けとして車椅子スペースを確保しています。ロングシートの座り心地は良好で、空いていれば足を伸ばすことも出来ますからこちらの方が快適かもしれません。


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