近江鉄道220形|FTN trainseat.net

近江鉄道 220形

写真: omi226

1991年に登場した220形は、八日市~貴生川間で使用していたレールバスを置き換えるために登場した電車です…が、「レールバスが小さすぎた」という登場に至る経緯から古い台枠に西武701系の側面を切り貼りして作った車体、響き渡る吊り掛け駆動のサウンドに、珍品である吊り掛け駆動用の空気バネ台車、ブレーキはもちろん同社初採用の電気指令式、1500V直接駆動の冷房装置と見どころもツッコミどころも満載です。
6両が製造され主に本線や多賀線で運用されましたが、2013年から西武新101系を改造した900・100形の投入で翌年には運用が大幅減、結局2015年には営業運転から離脱しました。ええ「営業運転から」離脱したんです、機関車代用として1両が現役のほか、彦根の車庫に保管というか何というかで何両か残っています。


omi22-車内全景

車内全景です。随所に西武701系のパーツを流用しているとは言え、17m級の3扉・ロングシートの構成から西武電車を思い起こすのは些か苦しいものがあります。収容力は置き換え対象のレールバス1両分と少し、そういえば本形式の初乗車は自転車が複数台乗っている上に部活帰りの高校生が乗り込んだ満員電車でした…
なお左側に物が写り込んでしまっていますが、これは「さよなら運転」の前日に行った有志による貸切での様子、車内撮影としては正に滑り込みセーフです。企画して頂いた皆様に感謝。

omi22-乗務員室仕切

乗務員室仕切。乗務員が運賃箱を見易くするためでしょうか、流用品と思われるこの仕切りも両側の窓は下方に拡大されているようです。

omi22-扉

扉付近は701系そのまま、扉そのものもステンレス無塗装のままとなっています。ここだけ見ると同線の800系とも区別がつきません。

omi22-天井

天井です。冷房吹き出し口は小さめで左右に等間隔で設けられています。吊革は扉間のみ、照明はカバー無しですが車体長のことを考えても少なめな気がします。

omi22-床

床は他形式でも見られるベージュ単色。

omi22-窓

戸袋窓を含めた扉周辺は701系をそのまま持ってきたようですが、扉間の一段下降窓は恐らく新品と思われます。カーテンは巻き上げ式で中間付近と一番下の2か所で留めることが出来ます。

omi22-座席

座席は1種類、6人掛けと言ったところでしょうか。各部の形状を見る限り、側面と同じく西武701系から引っ剝いだものと思われます。モケットは元々茶色でしたが、この車両は800形と同様の青色に交換されていました。座席そのものはそこまで悪いものでは無いような気がしますが、経年と線路状況で大きく左右されていた感はあります。

omi22-運転台

異様に大きく変わった形状のブレーキハンドルが気になる運転台です。この辺りの事情はあまり詳しくありませんが、配管やら弁やらの整備の手間を考えると電気指令式ブレーキにしてしまった方が楽だったりするのでしょうか。


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