大阪市10系(リニューアル車)|FTN trainseat.net

大阪市営地下鉄 10系

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1973年に試作車が登場、紆余曲折を経て1979年に量産を開始した10系は、電機子チョッパ制御を採用した省エネ車であると共に大阪市交初の冷房車として1989年までに9連26編成が製造されました。
ところがこの陣容は長く続かず、1995年から最初の3編成を崩し改造する形での10連化が実施され、そうかと思えば1998年からはリニューアル工事を開始しました。外装は従来のイメージを踏襲しつつも前面上部を黒く塗ったり、側面腰板の帯を車体全体に延ばすなどのイメージチェンジを行っています。2006年以降はVVVF制御化も実施、2011年に全編成への施工が終わったかと思えば初期の編成から廃車が発生するなど、どうも落ち着かない形式です。営業運転は一貫して御堂筋線のみ、車両の転属が頻繁に行われていた大阪市営地下鉄の第三軌条各線にあっては珍しい感もあります。
この先はVVVF制御化された10編成が残るものと思われますが、本頁作成時点ではチョッパ車もまだ数編成残っています。写真は双方が混じっていますが、1986年に製造された車両(便宜上後期車と表現・現在はVVVF化)の方が多くなっています。


10-車内全景

車内全景です。製造から約40年、一度リニューアルしているとは言え各部の造りや色褪せ具合などを見ると車齢を隠しきれていない感はあります。30系同様18メートル級4扉の構成です。

10-車端部

車端部です。貫通扉は狭幅・扉付き、扉と左の窓の間には非常通報装置も設置されています。注目すべきはLED式の情報案内装置で、車端部に、正確には「車端部にも」設置されています。これが中京圏なら何も珍しくありませんが、含みのある書き方をしたのはまだ続きがあるからでして…

10-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。窓は運転台直後と右側に寄せた仕切戸のみ、サイズは小さく前面展望は難しいでしょう。上部には車端部と同様に情報案内装置が設置されています。

10-天井s10-天井

天井です。左が前期車・右が後期車ですが、撮影位置がこうも異なるのでは比較のしようがありません。乗客サービスの面では最大の特徴である冷房装置は、冒頭に書いた通り高さに余裕の無いなか薄型冷房を開発して搭載しています。後期車ではそれを薄型化、見付も左側の前期車のようなものでは無くなっているようです。

10-床

床は柄入りのクリーム系、フットラインの類いはありません。床下点検蓋はチョッパ車では当然、VVVFインバーター制御に改造された車両でも残存しています。

10-扉

扉は幅1300mm、周囲と同じ化粧板を貼っています。写真は設置されていない箇所を写したものですが、車両中央寄り2つの扉上(広告枠になっている箇所)にLED式の情報案内装置を設置しています。

10-LED

こちらがその情報案内装置、黒い枠で大きく囲っている割には表示機本体が小さいような感もあります。1両に両車端部と中央寄り扉2か所の計4か所、数は一般的ながら変則的な配置です。

10-窓

窓は二段式で上段下降・下段固定、御堂筋線は中津から北が地上線ですのでカーテンも設置されています。荷棚は網棚です。

10-6人掛け10-6人掛け一部優先

座席に入ります、まずは扉間の6人掛けです。モケットは通常部が赤・優先席が青で、いずれも背摺りにはブロックパターンのプリントがあって着座位置を示します。座席は座面が3人用×2であるのに対し背摺りは6人分が一体となった形、傾斜した背摺りと座面が若干離れている点が特徴的でしょうか。袖仕切りは縦横のパイプを組み合わせたもの、座席間のスタンションポールはリニューアルの途上でメニューに追加されたものですが後に全車に設置されたようです。

10-3人掛け10-3人掛け優先s

車端部は3人掛け。座り心地は多少沈み込むもののそこまででは無く、背摺り形状も微妙と、短距離乗車が前提といった趣。

10-車椅子スペース

リニューアルに合わせて車椅子スペースが設けられました。窓と腰板に握り棒を設けたほか、非常通報装置や車椅子固定金具などを設置しています。


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