大阪市営地下鉄 66系(前期車・更新車)
1991年登場の66系、製造から20年程度が経過した2012年から中間更新が開始されました。前面は大幅にデザインが変更されましたが、なんでも劣化に伴い前頭部のFRP材を取り替えたようで、確かに同系後期車と同様に正面窓上の行先表示機や前照灯の部分もガラスで覆うよう変更されています。また標識灯・尾灯の変更(阪急9300系に似ていますかね)や帯の変更も実施、更にはスカートも取付け印象が一変しています。側面は帯の入り方が30000系並みになっており、将来のホームドア設置も見据えたのか幕板部にも帯が入っています。足回りも主要機器の変更を実施しており、走行音が随分静かになりました。
順次改造が進んでいますが、どうやら頻繁に改造メニューが変更されているようで… 今回は初期に改造を行った車両の様子をご紹介します。
車内全景です。基本レイアウトは弄っておらず、また配色もリフレッシュ工事前を引き継いでいますが、床の色を変えたからでしょうか今まで以上に落ち着いた印象です。
車端部です。更新前と大きな変更は無さそうですが、仕切戸の取っ手は大型化されています。
乗務員室仕切です。仕切戸の窓が下方に拡大されるようになりましたが、当初から行われているものではないようです。
扉は従来並みに見えますが、鴨居下部には開閉予告灯を設置したほか床敷物の滑り止めは出口付近を黄色くしています。
扉上にはLED式の情報案内装置を千鳥配置しています。新20系では路線や時期によって液晶化されたものもありますが、66系では今のところそういった車両は無いようです。
天井は従来通りですが、吊革が追加されたほか一部高さを変更するなど変更を加えています。更新途上で照明をカバーなしのLED式に変更しているようですが、写真はそれが行われる前に改造を受けた編成です。
床は灰色系の石目柄、フットラインは廃止されています。中間更新として主要機器が更新されましたが床下点検蓋は引き続き存置。
窓とカーテンです。カーテンは引き続き巻き上げ式ですが、生地・下部の金属部品(窓枠に引っかけるパーツ)共々交換されているようです。
座席を見ていきます。扉間は9人掛けに変更されバケットシート化、背摺り・座面とも4-5に分割されており中間にスタンションポールを設けています。茶色いモケットの色合いは後期車に近いように感じますが、背摺りのブロックパターンのプリントは前期車同様です。
当時の雑誌記事を見ますとやはり座席の拡幅はポイントとして挙げられているのですが、座席幅はなんと「488mm」と記載されています。製造時の形式図と見比べると10人掛けを9人掛けに(脚台などをそのままに)変更したらこの数字になるかなあ、という数字ではあります。一方で人間の一般的な横幅というものもある訳ですが、座面形状は両隅のクッションを盛った部分が他に比べ多いと言う訳でも無いんですよね… 広けりゃいいというものでも無いんだなあ、ということが分かる座席になってしまいました。
車端部は従来同様4人掛けですが1人当たり幅は拡大されており「458mm」とのこと。拡幅分は扉寄りに座席をはみ出すような格好で設置しており、そのままのサイズの脚台と見比べるとよく分かるかと思います。袖仕切は従来の袖板+パイプの組み合わせですが、枕木方向のパイプは30000系と同様金属に一部ゴムのような素材を巻いた板となっており、立客との分離を確実に図ることを企図しています。ただ改造車ゆえの制約か、袖板状の板は本来扉側に張り出すような格好になるべきところ車端は一直線に壁に向かっています。
車椅子スペース横は2人掛け、1人当たり幅は「470mm」とのこと。妻側窓下の機器箱は場所によって無い場合もあるようで、右写真の妻側はちょっと窮屈そうな印象を受けます。ここの袖仕切は袖板の化粧板を変更したのみ。
車椅子スペースは握り棒のほか車椅子固定装置を設置。車椅子固定装置は元から2種類あるらしく、こちらは壁に埋め込まれている仕様です。
運転台は引き続きワンハンドル式ですがパネルが大きく変更されており、針のあるメーターが復活しています。LED式だと光の反射で見辛い場面があるでしょうし、表示された数字を「読む」必要もあるためでしょうか。また右側にはモニタ装置が追設されています。
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