神戸電鉄3000系(後期車)|FTN trainseat.net

神戸電鉄3000系(後期車)

写真: kb3015

1973年、神鉄初の4両固定編成として登場した3000系。初の冷房車であり車体は初のアルミ製で片側3扉、台車は空気バネを採用するなど初物尽くしで、特徴的な前面と塗装(帯はステッカーでは無く塗装なんです)から「ウルトラマン」の愛称で親しまれています。
最後の編成は1991年の製造で、18年かけて9編成が製造されています。特に1981年から8年間製造が無かった時期もあり、今回ご紹介するのは1989年以降に製造された最後の3編成です。一風変わっているのは本形式と並行して1000系列各種も製造されている点で、見た目だけで製造時期を判断しようとすると思わぬ落とし穴に嵌ります。

3連までしか入れない区間があったため、運用範囲はデビューから長らく新開地~道場南口・志染間に限られていました。現在は両線とも4連の入線が可能となり、三田・粟生にも入線します。


kb30-車内全景

車内全景です。初の3扉車として登場した3000系ですが、この後期車が登場したころには1000系列でも3扉車が登場しており、どちらかというと前期車ではそこまででも無かった「阪急電車っぽさ」が印象的です。ただ化粧板の色が薄かったり、モケットの色も微妙に違ったりと、阪急電車に慣れていると少しだけ違和感があるかも。

kb30-車端部

車端部です。貫通扉の窓は阪急8000系と同じく天地寸法の大きなもの、奥行きが浅いこと以外は阪急車に近い見た目です。

kb30-乗務員室仕切

乗務員室との仕切りです。前面を非貫通にしたためか仕切戸の幅が極端に狭いのが目立ちます。また扉と仕切りの間のスペースは3扉の1000系列の方が微妙に広いようですが、以後の神鉄各形式では3000系に近い寸法が採用されています。

kb30-天井

天井です。後期車は冷房装置を変更しており、吹き出し口もラインフロー式に改められています。蛍光灯にはこのグループからカバーが設置され、以後の新形式にも引き継がれています。

kb30-床

床は茶色の単色、座席付近が濃くフットラインに見えるのは影によるものです。

kb30-扉

扉は片側3か所、2扉車ではかなり大きく取ってあった立席スペースは座席数を確保する必要もあったためか少なめ。

kb30-窓

窓は一段下降式、少し汚れが気になるカーテンは巻き上げ式で3段階で調整可能。なお荷棚は窓がある部分にのみ設けられていますので、端部の座席を使う時には注意が必要です。

kb30-8人掛け

座席は扉間と車端部の2種類のみ、まずは扉間の8人掛け…と思っていましたがどうやら1人あたり幅440mm程度で9人掛けを想定しているようです。前期車はそれ以前に登場した1100系などに近い形状でしたが、こちらは背摺りの傾斜や袖仕切など同時期の阪急電車そっくりになっています。ただ全く同じという訳でも無く、モケットは緑色ですが阪急車とは異なる風合い、袖仕切も形状こそ阪急車そっくりですがモケットは内側のみとし外側は化粧板仕上げです。

kb30-3人掛け

車端部は4人掛け…ですがこちらは1人あたり420mm程度と更に狭く、背摺りのモケットの擦れ方を見ても3人掛けとして使われているようです。写真は優先席ですが窓などにステッカーを貼るのみでモケットによる区分は無く、阪急の優先席に使用されている臙脂色モケットも今のところ波及していません。座り心地は阪急車と同様にソファのような感じ。

あ、どこかに車椅子スペースと1人掛け席があったようなのですが撮り逃してしまいました… 機会があれば撮ってきます。


kb30-運転台

運転台は電磁直通ブレーキながらデスク式というあまり見られない構成、ただどこかで見たことが…と思ったら西鉄5000形でした。いずれも川重製、メーカー側の提案があったのでしょうか。1000系列とは異なり非貫通式ですので余裕のある配置です。

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