名鉄3500系|FTN trainseat.net

名鉄3500系

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1991年以降製造の6500・6800系から3扉・オールロングシートの構成を採るようになった名鉄通勤車ですが、2年後の1993年には足回りを大きく変更した通勤車3500系が登場します。4両編成で車体は6500系と同じですが、足回りはいずれも本線系の固定編成では初採用となるGTO-VVVFに電気指令式ブレーキに進化。120km/hでの運転も可能になり、運用的には高速運転に向かない6000系列のみならずSR車の領域にも進出。6000系の廃車が進んだことで、気がつけば名鉄最多の136両の勢力になりました。3000系列(3R)でも4連の過半を占めており、現在では快速急行以下の各種別で、併結可能な各形式と共に使用されています。

また2017年からは機器更新が開始され、車内にも幾分変化が見られますので必要に応じ紹介します。


50-車内全景50-車内全景b

車内全景です。冒頭に「車体は6500系と同じ」と書いた訳ですが、3扉・短縮ロングシートの車内構成も殆どそのまま受け継がれています。座席数が少ないのでラッシュ時には座席争奪戦は必至、逆に混んでくると座席の少ないレイアウトに救われることもあるように思います。なお製造時は左側のような紫モケットでしたが、最近は右側の茶系モケットへの取り換えが進んでいます。

50車端部s

車端部は従来通りの妻窓のない単純な構成ですが、上部の処理が変わりLED式の情報案内装置が設置されています。

50-乗務員室仕切り

乗務員室との仕切りです。6500・6800系ロングシート車に似た構成ですが、運転台側には車椅子スペースを設置、やはり上部に情報案内装置を設置しています。窓サイズが幾分大きくなっている点も見逃せませんが、この辺りは1200系の1992年製造組と同等です。

50-LED

車端部には1200系に準じた情報案内装置を設置しています。号車案内と禁煙マークがセットでついてきます。内容は種別・行先案内、次駅案内、スピードメーターに中日新聞ニュースまで豊富。

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2013年に制御装置を取り替えた3511Fは、ついでに乗務員室仕切の情報案内装置を液晶式に取り替えています。これはコイト電工「パッとビジョン」と呼ばれる製品で、既存の情報案内装置の取り換えにも使用できるといいます。ただ画面サイズが元のLEDより小さいようで、禁煙マークの間に妙な隙間が出来てしまっています。ご覧の通り左上に種別と行先、左下は次駅案内、右側はその他の表示(停車駅案内・スピードメーター・中日新聞ニュースなど)を行います。ただでさえ狭い画面を半分に分割した上そこで文字がスクロールされても読み辛いことこの上無いのですが、スピードメーターが残ったのは嬉しいですね。

2017年からの機器更新でも右写真のように同一品が採用されましたが、本形式に先立ち採用された1000系1200系リニューアル車と同様に速度計表示の電車イラストは無くなってしまいました。

50-天井

天井です。カバーなしの蛍光灯に中央のラインデリアなどの構成は従来通りですが、6500・6800系ロングシート車で採用された枕木方向の吊革は取り止めとなりました。

50-天井(LED照明)50-天井(蛍光灯・LED照明)

3506Fでは2013年ごろから一部車両でLED照明を試用しています。左は豊橋方先頭車ク3506で、全灯具をLEDに取り替えています。問題は右側の2両目モ3556で、こちらは一部だけLED照明に取り替えました。写真だと左が蛍光灯、右がLEDです。しかも2015年新造車では何を思ったのか後者が本採用され、2年ほど経ちようやく全LED照明の車両が登場しています。

50-天井N

2017年からの機器更新では照明を全てLED式に交換しています。

50-床

床は6500・6800系ロングシート車に近い柄ですが変更があり、フットラインも兼ねたモザイク状のラインとされています。この床材はしばらく通勤車の標準になったほか、6000系列などで特別整備を行った車両には現在でも新たに用いられています。

50-扉

扉です。ここも6500・6800系ロング車と同様で、座席を極端に削った様子が伺えます。扉自体の変更点は殆ど無いようですが、唯一手摺りが下部に延長されています。

50-窓

窓周りは6500・6800系と同様、カーテンはロール式。一部の窓は開閉可能で、開け方を書いたプレートも設置されています。

50-6人掛け50-6人掛けbs

座席を見ていきましょう。扉間は6人掛けです。6500・6800系と変わらない…かと思いきや、座面が背摺りの下まで入るという他には無い形状になりました。また1人当たりの着座位置を示すため、座席端を盛り上げたり縫込みをするなどしています。

50-6人掛け_モケット新

ここで取り替えたばかりの紫モケットの様子もご覧いただきましょう。前掲の灰色なのか紫なのかよく分からないものとは異なり、はっきり紫なのがお分かり頂けるかと思います。確か極度に色褪せた3100系の紫モケットの写真もあったと思うのですが、探しておきます…

50-4人掛け50-4人掛けb

中間車の車端部は4人掛けです。6500系では5人掛けでしたので、徹底的に扉付近のスペースを確保しようとしていることが伺えます。

50-4人掛け優先50-4人掛け優先b

車端部の豊橋方は扉寄り2席が優先席とされています。紫モケットでは背摺りの帯色を水色に、茶モケットでは背摺り全体を青色にしています。モケット変更はじわりじわり進み、紫モケットは気がつけば本ページの最終更新時点では34編成あるうち僅か5編成足らずになりました。紫モケットは褪色が著しく、優先席も目立ちにくいので交換も止む無しかと思います。

50-5人掛け優先50-5人掛け優先b

先頭車の車端部は5人掛け、豊橋方先頭車だけは優先席を岐阜方に設定しているのでいずれも優先席です。中間車では4人掛けにしているのにどうしてここだけ…と思うのですが、もしかすると後述する車椅子スペースの設置による座席数減少を補っているのかもしれません。

50-4人掛け優先C50-5人掛け優先C

車系や編成の繋ぎ方によって優先席位置が異なる問題が発生していた名鉄電車ですが、2019年頃から全車とも「奇数号車の岐阜方・偶数号車の豊橋方」になるよう改めることになりました。併せて優先席の拡大が行われ、モケットは従来の背摺りだけでなく座面まで青になりました。検査入場などの折に変更されているようなので、全車の変更には数年掛かるかと思います。

50-2人掛け50-2人掛け2s

乗務員室、車掌台側は2人掛けです。

50-車椅子スペース

運転台直後は車椅子スペースを設定。名鉄では1992年に登場した1200系から設置されています。座席を撤去しただけ、パイプもレール方向と枕木方向が各1本のみ。

50-折り畳み座席50折りたたみ展開bs

3508F・3509F(補助座席試験車)と4次車以降の扉間戸袋部に設置されていた補助座席です。どうやら座席の少なさに苦情が出たとか何とかで、結局3100・3700系では座席を伸ばすことになります。画像は茶色モケットですが、もちろん紫色のものも存在します。ある程度の重さがかかっていないと勝手に折り畳まれるタイプですが、やはりというか何というか、折り畳まれないままの状況を目にすることもあります。

504-3522補助座席

ところが2014年からは補助座席の撤去がスタート。化粧板の色や取り付け金具の跡が確認できるかと思います。順次撤去が進み、2017年頃には姿を消したと思われます。


50-運転台s50-運転台

運転台は電気指令式ブレーキの採用もあってワンハンドル化を実現、この構成は3100・3700系にも引き継がれました。左は古い写真で圧力計がデジタル式となっていますが、案の定というか何というか後年通常の計器に交換されています。右写真は近年の様子で、他にもEBや乗務員支援モニタなどが追加されています。

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