名鉄3500系(内装更新車)|FTN trainseat.net

名鉄3500系(内装更新車)

写真: 3513N

1993年に登場、5年で34編成と名鉄らしからぬハイペースで大量製造された3500系。製造後25年程度が経過する2017年から機器更新が開始されましたが、2019年には突如内装更新も実施した車両が登場しました。外観は従来の機器更新車と同じように見えたのですが、よく見ると幕板部に謎の窪みがあるほか側面行先表示窓押さえの処理が変更されています。前者の窪みは恐らく車外スピーカーの準備工事だと思いますが、準備工事で留めているのも不思議で…

2019年度は3編成が機器更新が行われましたが、内装更新は1本目と3本目のみ行われました。2020年度以降も本形式の機器更新は続いていますが内装更新は行われたり行われなかったり、準備工事に留められていた車外スピーカーは本設置になりましたがまだまだよく分からない部分が多い改造になっています。


50N-車内全景

車内全景です。新通勤車9500系と同年の登場ながら、化粧板やモケットなどは何故か3300系並みでの登場です。どうして… それはともかく6000系重整備車や1200系リニューアル車のように従来品を再用することにより起こるちぐはぐ感が無く、名鉄にしては珍しく徹底的な更新です。

50N-車端部150N-車端部2

車端部は従来通りの妻窓のない単純な構成、やはり化粧板を変更しています。奇数号車の岐阜方・偶数号車の豊橋方は優先席としたため床敷物や吊革の色も変更し区別。一方2-3号車間の車端部は車椅子スペースの追設がポイント、相変わらず中間車掌スイッチが設けられています。

50N-乗務員室仕切

乗務員室仕切の構成も不変、化粧板のみ取り換えた格好です。

50N-LCD

情報案内装置は機器更新車と同様液晶式に交換されています。

50N-天井

天井です。照明のLED化は機器更新車でも行われていますが、加えて吊革は丸型から三角形に、ラインデリアの整風板は近年の新造車に近い形状に改められています。

50N-床

床は瀬標準の青灰色に白青黄などの粒を散らした柄、フットラインはありません。

50N-扉

扉は相変わらず塗装仕上げですが周囲に合わせた灰色・ツヤあり仕上げに、床の滑り止めも黄色いものに改められています。また鴨居部には9500系と同様に扉開閉表示灯も設置、これは9500系並みの装備です。

50N-窓

窓周りも不変で一部は一段下降式、カーテンは巻き上げ式です。座席のスタンションポールは扉間のみ荷棚と接続されています。

50N-6人掛け

座席を見ていきましょう、扉間は6人掛けです。背摺り・座面はモケット変更のみ、脚台もそのまま生かしつつ大型袖仕切やスタンションポールを設置する手法は6000系重整備車と同様、当然1人当たり幅も不変です。しかしこの柄のモケットが従来型の座席に使われているのはどうにも違和感が…

50N-4人掛け50N-4人掛け優先

中間車車端部は4人掛け、ちょうど中間にスタンションポールを追加しています。優先席は近年の新造車に合わせ奇数号車の岐阜方・偶数号車の豊橋方としており、座席モケットだけでなく床敷物も色を変え区分。

50N-5人掛け優先

先頭車の車端部は5人掛け、元から優先席のみの存在です。3500系は座席定員を減らした分1人当たり幅はある程度確保されているようで、車端部に関しては4人掛け・5人掛けとも最近の新造車と遜色ない寸法のようです。

50N-2人掛け1

乗務員室直後は2人掛け、大型袖仕切の設置で窮屈そうな印象を受けるようになってしまいました。

50N-車椅子スペース150N-車椅子スペース3

運転台直後の車椅子スペースは非常通報装置やパネルヒーター、車椅子固定装置を追加。レール方向の握り棒は腰当の役割を持たせるべく9500系でモケットを巻いた一方、本形式ではゴムクッションを巻きました。もっともこれは最初の1編成だけだったようで、2編成目以降は右写真のようにモケットを巻いています。またよく見ると非常通報装置も対話型に変更されている模様です。

50N-車椅子スぺース250N-2人掛け2

2号車岐阜方・3号車豊橋方には車椅子スペースを新設、構成としては同年登場(営業運転開始はこちらが先ですが)の9500系と同様です。座席は2人掛けに短縮、仕切は座席のみならず足元まで覆ってしまう大きな物です。


50N-運転台150N-運転台2

運転台です。EBリセットボタンの移設や車番・両数銘板の移設と謎の塞ぎ板設置、写真には写っていませんが足を載せる部分の鉄板の一部を切り欠き別の鉄板を設置しています。これらが示すのはこの車両が単なる内装更新だけではなく「ワンマン運転準備工事」を施工している可能性が高いということ、確かに三河線ワンマン運転に使用されている6000系初期車は特別整備をしたとはいえ製造から45年が経過しています。

そして地味に目立つ「成田山のお守り」、パノラマカー展望席のものが有名ですが実際には他形式でも乗務員室に設置されており、今回機器増設の煽りを受けたか客室からよく目立つ位置への取り付けとなりました。

50N-運転台3

2020年度施工車は運転台にワンマン放送用機器(左側の箱)が設置されるなど、よりワンマン対応車らしくなりました。さてワンマン運転開始はいつ、どの区間になるでしょうか…

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