1000形

1000形は、1984年に登場した遠州鉄道の車両である。

車体は30形から大幅に変更された。前面形状は中央部を大きく取った特徴のある三面折妻形となり、窓は天地寸法を大きくして上部に大型の方向幕を設置している。側扉はこれまでの片側2か所から同3か所に増やされているが、幅は30形の1400mmから1300mmとなった。塗装は赤を基調に白帯を腰部全周のほか車端付近に斜めに入れた新たなもので。30形にも反映されている。車両屋根上の冷房は30形51Fに引き続き3基搭載であるが、クーラーキセはこの3基を一体で覆う形状となっている。車内はロングシートで、扉間は10人掛けである。なお特徴的な前面デザインは国鉄→JR東海の12系客車改造ジョイフルトレイン「ユーロライナー」にも影響を与えたとされる。最終編成ではLED式の情報案内装置を扉上に千鳥配置で設置しており、既存車にも追加で取り付けた。

主要機器は1980年登場の30形51Fに準じており、カルダン駆動の抵抗制御である。主電動機・制御装置とも東洋電機製で、51Fと同じものを使用する。制動方式は遠鉄初の電気指令式となり、30形とは併結できない。台車も最初の2編成は50Fと同じダイレクトマウント式空気バネ台車であったが、1003Fからは国鉄205系などに似たボルスタレス台車となった。

1999年の2000形登場後、一部車両では同形に準じた前面窓ガラスの上部青色化、行先表示幕の英字併記化、パンタグラフのシングルアーム化、Tc車への車椅子スペースの設置などが行われている。またモケットも時期不明ながら2000形並みに張り替えられている。更に近年は情報案内装置をLED式から2000形増備車で採用された2画面液晶式への交換を進めている。

1996年までに2連7本が製造され、同線の主力として活躍している。朝夕には4両編成での運転もあり、2000形と連結しての運転も見られる。

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