3000・3100系

 3000・3100系は、1964年に登場した神宝線用の通勤車両である。3000系が神戸線用、3100系が宝塚線用であり、両者の違いは主電動機と歯車比程度である。いずれも架線電圧の昇圧に対応するため600V・1500Vの両方で使用できるようになっていた。
【車体】
 車体は基本的に2000系列を踏襲している。但し2021系の6連で問題になった車内を通り抜ける風の対策として、貫通扉を幅の狭いものにして貫通扉を設置している。また増加する乗客に対応するため、途中から座席の長さを短縮し、奥行きが浅いものに変更して立席スペースを増やしている。また、台車も2000系列と同じFS345・FS45を使用している。車番は神宝線の2000系列がモーターの有無でしか区別しておらず非常に分かり辛かったため、新たに運転台の有無による区別を行っている。
【機器類】
 2000系列は複巻電動機と回生ブレーキを用いた低速制御を行う「オートカー」であったが、神宝線の2000・2100系は昇圧の際に600Vにしか対応していない機器類が問題となった。昇圧に対応した2021系も製造されたが、機器が複雑で保守が非常に面倒な車両になってしまった。このため3000系では直巻電動機と発電ブレーキの組み合わせが採用された。電動機は3000系が170kW、3100系が120kWであり、歯車比も3000系が5.31、3100系は6.07である。600Vでは2両の電動車を電気的に並列につなぎ、1500Vでは電気的に直列につなぐ「おしどり式」を採用した。このため1500V下では電動車は必ず2両つながなければならない。なお、3100系は低速寄りの設定なため高速運転には適さないが、昇圧時に弾力的な運用が行えるよう神戸線の各駅停車では使用できるような設定になっていたとされる。
 1964年から製造を開始し、両形式とも当初はMT比が1:1である4+2の編成で登場したが、昇圧が近づくとMT比が2:1の3+3の編成に変更され、4+2で登場した編成も後にM車を追加した。1966年末からは4+3の7連で製造されている。1967年秋の神戸線昇圧では昇圧即応車の特徴を遺憾無く発揮、翌年に1500V専用の5000系や1500V専用に改造された1000系列が出場すると、一部は1969年の宝塚線昇圧に向け再び600V仕様にしたうえで同線に転属した。
【改造】
1974年から1C8MのMM'方式化改造と冷房設置工事が行われ、途中からは表示幕設置、先頭車の運転台撤去(3000系のみ)、通過標識灯と尾灯の位置を変更、行先幕は種別と行先を両側にそれぞれに設置する前面改造などが行われた。1991年に登場した支線の3連運用に際しては一部の3050形にCPを2台にする改造を行っている。宝塚線の編成は1995年からスカートを設置している。これは宝塚線の平井工場で作ったものであるため6000系などのものより角ばっている。2005年からは非常ブレーキの電気指令化が行われている。
【廃車】
 1995年の阪神大震災によって倒壊した伊丹駅に停車していた3109が廃車となったが、今津線で脱線した3022を電動機交換の上2代目の3109とした。その3022の代替車は先頭車である必要が無かったため、中間車である2021系の2171を転用した。1996年に箕面線の3156Fが廃車になったが、能勢電鉄に譲渡され同社の3100系となった。その後はしばらくそのまま推移したが、2006年の9000系登場で編成単位の廃車が進行、3000・3100系ともに前面行先幕を設置していない車両から廃車が進んでいる他、その代わりの車両として本線系の3000系が使用されるため神戸線・宝塚線共に撤退が進み、神戸線からは2012年末に姿を消した。2013年に新1000系が登場すると、宝塚線に最後まで残った8連も姿を消し、また玉突きで支線区の表示幕を持たない車両も全廃となった。更に新1000系の投入に伴う玉突き転属で、2016年には3100系が全廃されたほか3000系も箕面線から撤退している。
 現在は6連が今津北線で、4連が伊丹線で使用されている。

3000系

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↑4連(伊丹線) ↓6連(今津北線)
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3050F


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↑4連(伊丹線) ↓8連(神戸線)
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↑4連(伊丹線) ↓8連時代(神戸線)
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↑6連(今津北線) ↓8連時代(神戸線)
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撮影出来ませんでした(2011年廃車)

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2016年に廃車(最後は4連・箕面線)

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↑4連(伊丹線) ↓8連時代(宝塚線)3062s

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2014年に廃車

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↑4連(箕面線) ↓8連時代(宝塚線)
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2015年に廃車

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30682011年に廃車

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2011年に廃車

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撮影出来ませんでした(2008年廃車)

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↑4連(箕面線) ↓8連時代(宝塚線)3074
2016年に廃車

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2014年に廃車

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2014年に廃車

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↑6連(今津北線) ↓8連時代(神戸線)3078s

3078F

30802013年に廃車

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2012年に廃車

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↑6連(今津北線) ↓8連時代(神戸線)
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3082F

3100系

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2016年に廃車[4連・伊丹線]

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撮影できませんでした[6連・今津北線](2016年に廃車)

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2016年に廃車[6連・今津北線]

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2012年に廃車[4連・箕面線]

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31582012年に廃車[4連・箕面線]

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31592013年に廃車[4連・伊丹線]

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31602014年に廃車[4連・伊丹線]

 3160F 

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