8200系

8200系は1995年に登場した、神戸線向けの車両である。増備が進められていた8000系に準拠しつつ、ラッシュ時の増結用として混雑対策の強化が行われた他、新機軸のテストも行われた。

【車体・車内・主要機器】
 車体はアルミ製で、前面形状は同年登場の8300系8304Fと同様「く」の字スタイルながら前面窓を下方まで延長、車番は窓の内側に入れ電照式とした。側面は乗降時間の短縮を狙って客用扉を幅1500mmに拡大、窓は高さ・幅とも拡大され扉間2枚・車端1枚に変更されている。また乗務員室直後については2000系以降の新造車では初となる戸袋窓となっている。側面の種別・行先表示にはLED式を試用、表示機2つを横に並べ日本語と英語を表示する。
 車内は座席を全て収納式とした点が特徴で、朝ラッシュ時は座席無しの状態で運行することとなる。扉付近にスタンションポールを、窓上にも握り棒を設けたほか、初めて五角形を採用した吊革は従来の線路方向に加えて枕木方向にも設置している。また阪急初のLED式情報案内装置が設置され、広告や「見えるラジオ」によるニュースを表示する液晶式モニタも導入されている。
 主要機器も新機軸を導入、主電動機は出力を200kWに向上、制御装置は1C1MのVVVFインバーターとし8連時に3M5Tの編成を組むことが出来るようにした。本形式は2連のため電動車は主電動機3台搭載の0.75Mとなる。冷房装置は定員増に伴い10,500kcal/hを4台に増強、暖房は座席下のものだけでは能力が不足するため冷房装置をヒートポンプ式として補っている。パンタグラフはシングルアーム式を初採用している。台車は京都線で採用されていたボルスタレス台車SS-139A/SS-039Aを神宝線で初採用した。

【運用と改造】
 当初は朝ラッシュの通勤急行と夕方の須磨浦公園行き特急に投入され、朝は座席を収納、夕方は座席を引き出して運用された。ところが1998年のダイヤ改正で須磨浦公園直通は廃止、増結も無くなった為、朝の通勤急行2本に座席を収納して運用されるのみとなってしまった。
 その後混雑が緩和されたことから、2007年10月から座席収納を取り止め、更に翌年には座席を他形式並みの固定座席とする改造が行われた。座席は扉間7人掛け・車端5人掛けで9000系同様2人〜3人おきに仕切りが入る。荷棚は立客を前提に高い位置としていたが、これを取り換え他車同様の高さに変更している。またスタンションポールや枕木方向の吊革は撤去、吊革は丸形に交換されている。なお液晶式モニタは2015年には「見えるラジオ」サービス終了に伴い撤去されている。

 この改造で(扉の幅こそ異なれど)増結用他形式と装備に大きな差が無くなったため、通勤急行以外の増結運用にも他形式同様充当されることとなり、運用範囲も梅田〜三宮に拡大した。近年のダイヤ改正では増結運用が縮小される動きを見せているが、本形式は現在のところ動きなく推移している。

8200F

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8201F

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最終更新:2022/3/5

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