117系は、1979年に当時の国鉄が私鉄との競合が激しい関西地区向けに開発した近郊型車両である。1982年からは東海地区にも「東海ライナー」の愛称で導入された。
片側2扉、クリーム地に茶色帯の外観に、転換クロスシート装備の車内が特徴で、当時の国鉄が作った車両としては正に破格の設備である。塗装は戦前走った、関西地区の「関西急電」に使用されたモハ52形を連想させるものであり、JR西日本で製造された近郊型電車にも受け継がれている。制御装置など機器類についても、110km/h運転を前提とした設計の為、特急形等と同じ最新の主制御器や当時の近郊型では稀な空気バネ台車などの採用がなされている。東海地区には当初0番台の6連9本が導入された。
分割民営化に備えた1986年11月の改正と同時に、100/200番台が導入された。このグループでは窓の1段下降化や台車の変更、座席のバケット化等が行われている。京阪神地区には6連3本が、東海地区には先頭車だけ9組が製造された。これは6連を2分割したうえでその中間に先頭車を挟み4連化するというものである。そのため、編成中1両だけ窓形状が違う車両が混じっていることとなる。
上記のような変化があった後にJRとなり、東海地区に配属されていた車両は全車JR東海のものとなった。東海道線の主力として、また一部は中央線でも活躍した。塗装は従来のものをベースとしつつ白地にオレンジ帯、尚且つ雨樋と従来の帯の下に細帯が追加された。
しかし、1999年の改正で快速は最高速度が120km/hに上げられたうえに、普通電車についても211系5000番台(現在は全車が他所に転属)の性能をベースにダイヤを設定したため、117系はどちらにも対応できずに昼間は車庫や留置線で眠るような運用になった。それでも2006年10月の改正では大垣〜米原間の普通の大多数に使用されるようになった他、朝夕はラッシュ時には名岐間の快速などで使用されていた。
尚、1999年頃から塗装の簡略化が行われ、元々の117系の塗装の色を変えただけのようなものとなっている。
2009年には国鉄色に戻された編成が1本出来た他、2010年にはこの形式を用いたイベント用車両「そよ風トレイン117」が登場した。一方で2009年、増備が続く313系でJR東海に残る国鉄型電車を基本的に全廃することが発表された。2010年には代替車となる313系の増備車が登場、2013年春の改正を前に運用終了となった。
※廃車後、リニア・鉄道館で保存 |
S1編成 |
S2編成 |
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S3編成 |
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S4編成 |
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S5編成 |
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S6編成 |
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S7編成 |
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S8編成 |
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↑「そよ風トレイン117」の姿(2011年6月) ↓改造前(2008年12月) |
S9編成 |
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廃車されてしまいました… |
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