311系は、1989年にJR東海が新快速・快速用として製造した近郊型車両である。
【車体・車内】
車体は同時期増備を進めていた211系5000番代と同様の軽量ステンレス製で、帯はオレンジに白の縁取りをしたもので以後の同社標準となった。前面は若干丸みと傾斜のあるパノラミックウインドウを採用、種別と行先の表示を別に設けているため211系とは印象が異なる。車内は全て213系5000番代をベースとしたクロスシート(扉間転換・扉横と車端部は固定)としており、窓割はそれに合わせ扉間に2連窓2つと戸袋窓を配置している。妻壁にはLED式の情報案内装置をデジタル時計と共に設置し、種別・行先・停車駅等のほか駅間では自社広告なども表示する。このほか下り先頭車(クハ310形)にはカード式公衆電話を設置している。
なお1989年から1991年までの短期間に増備されているが増備途上での変更点が数点あり、このうちG6編成以降は前面の列車番号表示器が廃止され、貫通扉の色が変更されるなど外観・内装に変化がある。また最終増備車であるG14・15編成は開閉可能な窓が減らされている。
【主要機器】
主要機器も概ね211系5000番代に準じている。制御装置は界磁添加励磁制御で回生制動を常用、電気指令式ブレーキを使用し211系5000番代等との併結も可能である。最高速度を120km/hとしたため、211系の同様のボルスタレス式の台車にはヨーダンパを付加したほか高速域からの制動時に作動する増圧制御が加えられている。冷房装置は211系5000番代と同様のインバータークーラーを搭載したが、先頭車については後年能力を増強した形状の異なるものに交換されている。
【運用】
当初は新快速・快速を中心に運用されていたが、1999年の313系デビュー以降は普通運用主体となったほか、2006年秋の313系5000番代登場以降は313系0番代の一部も普通運用に回ったため、快速系列車での運用は朝夕のみとなっている。また2015年までは中央線での運用も存在、臨時列車「ナイスホリデー木曽路」で塩尻まで入線することもあった。現在は東海道線浜松~米原間を軸に、朝夕には2015年からは電化された武豊線にも入線する。
2022年度からは315系増備と一連の車両転配に伴い廃車が発生する見込みである。
※編成番号に下線があるものは1両ごとの写真を掲載しています
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G3編成 |
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G4編成 |
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G6編成 |
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G8編成 |
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G9編成 |
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G12編成 |
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G13編成 |
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G15編成 |
最終更新:2022/5/22