521系|編成別写真集 -FUKUJU TRAIN NET-

521系

E5J18

JR西日本所属 細字は第三セクター移籍 下線は写真あり

1次車

E01 E02 E03 E04 E05

2次車

G01 G02 G03 G04 G05 G06 G07 G08 G09 G10
G11 G12 G13 G14 G15 G16 G17 G18 G19 G20
G21 G22 G23 G24 G25 G26 G27 G28 G29 G30

3次車

J01 J02 J03 J04 J05 J06 J07 J08 J09 J10
J11 J12 J13 J14 J15 J16 J17 J18 J19 J20
J21 J22 J23

100番代

U01 U02 U03 U04 U05 U06 U07 U08 U09 U10
U11 U12 U13 U14 U15

IRいしかわ鉄道所属

2次車

IR01 IR02 IR03

3次車

IR04 IR05

100番代

IR06 IR07 IR08

あいの風とやま鉄道所属

2次車

AK01 AK02 AK03 AK04 AK05 AK06 AK07 AK08 AK09 AK10
AK11 AK12 AK13 AK14 AK15 AK16        

1000番代

AK17 AK18 AK19

 521系は、2006年に登場したJR西日本初の交直両用近郊型電車である。約15年に亘って製造が続いているが、期間の長さから増備途上での変更点も少なくない。本項では概要および各区分共通の仕様を中心に紹介し、製造時期による細かな差は各次車のページで紹介する。現在または過去JR籍であった車両のほか、あいの風とやま鉄道の自社発注車である1000番代についても必要に応じ解説する。

【車体・車内】
 車体はいずれもステンレス製で片側3扉だが、側面窓割は1~3次車および1000番代が223系譲りの扉間5連窓に対し、4次車は225系と同様中央の座席3列分を1枚の大窓とした構成とした。前面形状はいずれも貫通型だが1・2次車が223系5000番代に準じた同2000番代ベースの低運転台構造、3次車以降は225系ベースの高運転台構造で227系や323系等と同一のスタイルで当初より前面の転落防止幌も装備する。帯は腰板に1~3次車では青と白・4次車では茜色と白を、戸袋部はいずれも灰色を纏う(第三セクター移籍車については各頁を参照願いたい)。

 車内は扉間転換クロスシート(但し扉横は固定座席)、一部に補助座席を設けている。クモハ521形の車端はロングシートで、対するクハ520形には車椅子対応便所と車椅子スペースを設けている。

 

【主要機器】
 編成は(←米原)クハ520[Tpc] - クモハ521[Mc]の2両編成でユニットを組んでおり、電動車に直流車と同様の機器、付随車に交流車特有の機器を搭載する思想は683系と共通である。使用機器も683系と同等の物を極力共通の配置としたが、車体長や車両の性質から一部の変更を行っている。また床下に配置した機器はいずれも徹底した耐雪・耐寒構造とすべく全てカバーを設置、着雪を防止している。

 制御装置はクモハ521形に搭載、IGBT素子を用いたインバーター制御で、1基に主回路用装置と補助電源装置を一体化し故障時の冗長性を高めている。主変圧器や主整流器はクハ520形に搭載、後者はコンバータを2台並列接続とし片方の故障時にも運転を続行可能とした。パンタグラフはクハ520形に搭載、シングルアーム式を同社在来線車両では初めて本格採用した。
 ブレーキは回生制動併用の電気指令式で、積雪を考慮し軸単位での滑走再粘着制御を加えている。台車は223系2000番代をベースとしながら、床面高さを15mm低くしたため空気バネ高さをその分下げている。

 

【増備と変遷・運用】
 1次車は2006年に5編成が登場、北陸線長浜~敦賀間および湖西線永原以遠の直流化にあたって滋賀・福井両県が費用を負担している。E編成と称して一時期を除き敦賀に配置、前述のような経緯のほかATS-Pを搭載することから主に北陸線米原~福井間と湖西線近江今津~近江塩津間で運用される。
 2次車は2009年度から翌年度にかけ30編成が製造された。外観の相違点は少ないが前年度の223系5500番代に準じた車体強化が行われたほか、車内では吊革の増設や吊手・握り棒の黄色塗り、便所の形状変更(スペース拡大)などが行われている。当初北陸線敦賀~金沢間で運用され2012年以降金沢以東にも進出、2014年には糸魚川まで足を延ばした。北陸新幹線開業前の時点では全編成が金沢配置のG編成となっていたが、2014年以前は半数が敦賀配置のM編成と称していた。
 3次車は2013年度から翌年度にかけ21編成が製造された。前述のように前面形状が一新されたほか、安全装備として異常挙動に対し自動でTE装置を作動させるシステム(異常挙動検知システム)やホーム検知装置を当初から設置している。全編成がJ編成と称し当初敦賀に配置されたが、2017年に金沢に転属している。運用範囲は北陸線敦賀~金沢だが、G編成とは運用が分かれており金沢以東への定期運用は存在しなかった。またG編成とJ編成の併結もあまり見られなかったが、2019年以降は増加している模様。2021年には後述の100番代とは別に2編成が増備されたが、あいの風とやま鉄道の1000番代と同様に種別表示のLED化などが行われている。

 あいの風とやま鉄道の1000番代は413系の置き換えを目的に2017年から2022年にかけ5編成を製造する予定で、2020年春現在2編成が登場している。基本的には3次車相当の設備だが、種別表示が幕からLEDに変更されたほか行先表示は白色LEDに、また車内灯はLED式の半間接照明と3次車登場後にJR西日本の新車で採用された装備を一部取り入れている。

 100番代は七尾線に残る老朽車の置き換えを目的として、2020年から翌年にかけ15編成が製造された。車体の変更は前述した通りだが、七尾線にて2021年春から導入を予定しているICOCAに対応する車載端末を搭載している点が特徴である。なお同時期にIRいしかわ鉄道も3編成(車番はJR車の続番、編成番号はIR既存編成の続番)が投入されている。2020年10月に一部が先行導入されたのち、2021年3月のダイヤ改正で七尾線の既存車を全て置き換えた。

 

【改造】
・前面転落防止幌・設置

3次車では当初から装備している前面転落防止幌および異常挙動検知システムを、1・2次車にも追加で設置した。時期不明だがいずれも既に全車に施工されている模様。
・運用番号表示機撤去
1・2次車は登場時車掌台側の前面窓上に運用番号表示機を設けていたが、関西圏他形式と同様順次撤去を行った。こちらも既に全車撤去が完了している模様。

 

【第三セクター化に伴う譲渡と自社発注車】
 
2015年春の北陸新幹線開通に伴い、並行する北陸線金沢~直江津間は県単位で分割し第三セクター化された。これに伴いIRいしかわ鉄道に5編成(2次車3編成・3次車2編成)が、あいの風とやま鉄道に16編成(全て2次車)が譲渡された。譲渡後各社とも塗装を変更している。詳細は各社ごとの頁を参照願いたい。この他あいの風とやま鉄道は2018年から413系置き換えを目的とした1000番代を、IRいしかわ鉄道は2020年に七尾線のJR車置き換えの一部を担う100番代をそれぞれ自社発注している。
 第三セクターに譲渡された本形式の元北陸線での運用区間は金沢~糸魚川間であるが、IR車は金沢~富山間のみ。あいの風とやま鉄道の車両も泊~糸魚川間への入線は1日2往復に限られており、泊以遠は大半がえちごトキめき鉄道のET122形による運用とされている。

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