12400系は1977年に登場した特急用車両(いわゆる「サニーカー」の一族)で、12200系をベースに内外装のマイナーチェンジを図っている。電算記号(編成番号)はNN0*。
【車体と車内】
車体は鋼製で12200系とほぼ同等であるが、前面は後退角が大きくなったほか幌カバーの張り出しが連続して屋根まで伸びる形状となった。また行先表示は貫通扉に表示幕として内蔵され、前面の紺色帯はこの表示機の高さとなってオレンジ色の面積が増加している。標識灯・尾灯は12200系から行先表示部分を無くした形状で、以後の各形式では形状が変更されたため他形式との識別点の一つとなった一方以後の一般車で広く採用されている。
車内では従来便洗面所のある箇所を除き設けられていなかったデッキを全ての扉に設置、当初から4連を前提としたため扉はク12500形を除き各車1か所とした。座席は従来並みであるがモケットをオレンジ色に、カーテンも明るいオレンジ系に、化粧板は従来の木目調から白基調の網代模様に(デッキ仕切には奈良や伊勢志摩の風物イラストをプリント)、床材はブラウン系ながら通路部レール方向にベージュのラインを入れてアクセントとした。これら明るい内装は本形式ほか各形式が趣味者によって「サニーカー」と呼ばれる要因となった。このほか天井や荷棚の形状を改めたほか、便所は12200系で洋式・和式を設けていたが、当時洋式は利用が少なかったため本形式では男子小用に変更された。
【機器類】
主要機器は12200系とほぼ同一で電動車と制御車・付随車でユニットを組んでいる。4両固定編成で製造され客室設備はそれを前提にした部分もあるが、機器構成上は2両編成でも走行可能で僅かながら実績もある。制御方式は従来通りの抵抗制御、主電動機は180kW級である。冷房装置も従来通り6基搭載であるが新たにロスナイ2基も搭載、これらを一体のカバーで覆っている。
【改造と車体更新】
登場から20年程度が経過した1997年から翌年にかけ車体更新を実施、内装材の交換や座席モケットの張替え、号車表示機のLED化、和式便所の洋式化などが行われた。
製造から30年程度が経過した2009年から2010年にかけ2度目の車体更新を実施、転落防止幌の設置や前面行先表示機のLED化を実施している一方12200系で実施された座席の交換は行われていない。
2015年からはク12500形への喫煙ルーム設置を実施、2017年から他形式と同様の塗装変更が実施されている。
【運用】
1977年の年末に4連3編成が登場、「新ビスタカー」10100系を置き換えたが本形式の増備はこの3編成で打ち止めとなり、以後の10100系の置き換えは「ビスタIII世」30000系にて実施された。1979年以降お召列車として4度の運転実績があり、組替等を実施し本形式のみで6連を組成している。1988年からは120km/h運転に対応しパンタグラフやブレーキ等の改造を実施した。現在は全編成が明星区に所属、標準軌各線の特急で活躍している。
▲新塗装 ▼旧塗装 |
NN01 |
▲新塗装 ▼旧塗装 |
NN02 |
▲新塗装 ▼旧塗装 |
NN03 |
最終更新:2022/11/26