8800系

8800系は、1980年に登場した奈良線用の一般車両である。電算略号(編成番号)はFL0*

 車体は8600系と同様に21メートル級4扉で幅2800mmの広幅であるが、屋根肩部の形状を変更することで側面種別表示の判読性を高めている。車内はロングシートでこちらも8600系と同等であるが、従来広幅貫通路としていた1-2号車・3-4号車間を狭幅に変更している。

 主要機器では制御方式に界磁位相制御を採用し回生制動を常用。制御装置は同社標準軌線では久々(奈良線系では初)の1C8Mで電動車を中間車にまとめ、補機類も分散して4両固定編成が前提の機器配置とした(大阪方からク8900偶-モ8800偶-モ8800奇-ク8800奇)。主電動機には出力145kWの直巻電動機を8600系に続き使用している。

 

 本形式は8000系など既存車の省エネ改造のモデル車両としての意味合いもあったため、1980年に4連2編成が製造されるに留まった。近鉄の新造車として界磁位相制御を採用したのも結果的に本形式のみとなり、以後の奈良線一般車の増備は8810系など界磁チョッパ車に移行している。また8810系などは車体を大幅に変更したため、南大阪線6800系から続いた車体形状を採用した最後の形式となった。

1999年に2編成とも車体更新を施工、側面方向幕の設置や内装材の変更を実施した。2度目の更新(B更新)は第1編成が2018年、第2編成が2020年に施工、車椅子スペースの設置や一部妻窓の閉塞、内装の整備を実施している。

 現在は2編成とも東花園区に所属し、奈良線・京都線・橿原線などの他社局に直通しない各列車で他形式に混ざって充当される。

FL02(8902)

FL02

FL04(8904)

FL04

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最終更新:2023/4/7

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