MLRV1000形

MLRV1000形は2004年に登場した万葉線の車両で、同線のみならず富山県の路面電車では初の超低床車でもある。

 車両は岡山電軌9200形と同様、新潟トランシスがアドトランツ(→ボンバルディア)からのライセンス契約で製造された「ブレーメン形」の足回りに「インチェントロ」の車体を組み合わせた2連接車である。車体は前面が大型の曲面ガラスとFRPを用いた構成、側面には各車体片側1か所ずつ扉(プラグドア)を設置している。車体は赤色とし、岡山電軌9200形に対して前頭部を中心に意匠を変更している。車内はクロスシート主体で、扉付近にのみロングシートを設置している。なお床面高さは出入口付近が300mm、通路部は360mm、通路はもっとも狭い部分で660mmとしている。

 主要機器は制御装置がIGBT素子のVVVFインバーター、主電動機は誘導電動機、ブレーキは回生・発電併用の電気指令式で、いずれも三菱電機製である。空調装置は各車体に1台搭載しているが、万葉線で冷房を搭載するのは本形式が初となる。台車とパンタグラフはボンバルディア製、このうち台車はボルスタレス台車で、車輪には輪軸の無い弾性車輪を用いている。


 2004年に2編成を投入、「アイトラム」の愛称を付与され、以後も2006年までに計6編成を投入し既存車を順次置き換える方針であった。ところが導入直後から脱線事故が3度も発生し、長期間運用から離脱する事態に陥った。問題が解決するまで1年近くを要し、2006年から増備を再開、当初計画の6編成が揃ったのは2009年であった。これに伴いデ7050・7060・7070形の計6両が廃車され、2009年春のダイヤ改正では日曜日は全列車を、それ以外も1運用を除き本形式での運転を可能とした。なお第4編成以降は車内の配色を緑系から青系に変更している。
 2012年からは本形式1編成を「ドラえもんトラム」として運転しているが、これはドラえもんの作者である藤子・F・不二雄が高岡市出身であることに因んだものである。当初1年限定の予定であったが、これまでに3度延長され現在まで引き続き運転されている。なお車両の検査の関係で充当車両は第5編成→第2編成→第4編成と変遷している。このほか2020年度からは企業等の全面ラッピング車も登場している。
 現在は6両が在籍し同線の主力として活躍しているが、2014年の高岡駅移転(延伸)で運用数が増加したため、最低でも1運用は本形式以外が充当されている。なお「ドラえもんトラム」は公式サイトで運用が公開されている。

 

MLRV1001

MLRV1001

MLRV1002
▲通常の姿 ▼ドラえもんトラム(2代目・2013年撮影)MLRV1002_ドラえもん

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MLRV1003
▲通常の姿 ▼ドラえもんトラム(4代目・2021年撮影)
MLRV1003_ドラえもん

MLRV1003

MLRV1004
▲通常の姿 ▼ドラえもんトラム(3代目・2018年撮影)
MLRV1004_ドラえもん

MLRV1004

MLRV1005
▲通常の姿
▼2020年~ JFEマテリアル「獅子舞トラム」ラッピング
MLRV1005_JFE

MLRV1005

MLRV1006
▲通常の姿
▼2020年~ サニーライブグループ「LIBOOO」ラッピング
MLRV1006_LIBOOO

MLRV1006

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最終更新:2022/8/2

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