6800系

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 6800系は、1987年に登場した2両編成の通勤形車両である。1984年の6500系登場後も2連用として増備が続いていた6000系の後継に当たる形式で、依然数多く残存していた旧型車を置き換えた。

 

【車体・車内】

 製造時期に関わらず車体は普通鋼製、前面非貫通で片側3扉としているが、前面や側面の形状は増備途上で変更されている。1・2次車は前面下部に銀色の装飾を施した所謂「鉄仮面」スタイルで、乗務員室直後の側小窓と側面方向幕が設置されている点、冷房を1両に3基搭載した点などは6500系5次車と同等である。一方1989年の3次車以降は前面窓に曲面ガラスを使用し天地寸法を拡大したほか、側窓も連窓の間柱を細くし黒く塗ることで連続窓風に仕上げた所謂「金魚鉢」スタイルである。

 車内は1次車から4次車までが集団離反式固定クロスシートとロングシートの組み合わせだが、1・2次車3・4次車では車内の配置こそ共通であるが座席の設計が変更されている。5・6次車は混雑に対応するためオールロングシートとしている。なお5・6次車の車体や車内の構成は3500系など以後の通勤車にも引き継がれている。

【主要機器】

 編成は←豊橋ク6800[Tc]-モ6900[Mc]の2両編成で、TcにCPとSIVを、Mcには集電装置を搭載している。制御装置は5300系に続いて界磁添加励磁制御で、回生制動を常用する。主電動機は6000系と同等品で出力150kWの直流直巻電動機であるが、3次車からは新造時に騒音が低減される内扇式としている。なお最高速度は110km/hであるが、現在は6000系との共通運用であるため本来の性能を発揮することは無い。

【増備と仕様変更】

 1次車は1987年に、2次車は1988年に、それぞれ4編成ずつ製造された。2次車は台車の軸受けが変更されたのみである。

 3次車は1989年に一挙15編成を製造、同年夏のダイヤ改正に備えた。1990年の4次車からは乗務員室仕切の窓押さえや系統板掛け形状が変更されている。1991年の5次車はオールロングシート化のほか、側扉はステンレスで窓が上方に拡大、窓押さえも金属に変更されている。また4次車以前に比べ乗務員室直後の座席が拡大されていたが、これについては翌年の6次車で元に戻されている。5・6次車とも4編成ずつ製造され増備は終了、2両編成の通勤車も1997年の3100系まで製造されなかった。

 

【改造】
・ロングシート化
 6804Fは1995年にロングシート化された。残る1・2次車も改造する計画があったものと思われるが、現在もクロスシートが残存している。
・ワンマン化改造
 2011年に尾西線津島~一宮・一宮~玉ノ井間および豊川線のワンマン運転が開始されるのに伴い、前年から4次車6828F以降と5・6次車の全編成に対しワンマン運転に対応する改造を行った。内容は足踏み式デッドマンや自動放送装置、ワンマン用扉扱いスイッチの設置などで、外観や客室内に大きな変化は見られない。

 

【運用】
 当初は100km/hまでしか出せない6000系とは運用が区別されていたようだが、後に共通化。現在はワンマン運転に対応しない6801F~6827Fが急行系列車の増結や普通を中心に、専用車両が用意されていない路線の多くで6000系のワンマン運転に対応しない2連と共通運用されている。ワンマン運転に対応している6828F以降の12編成は尾西線と豊川線を中心に運用されるが、両線は距離が大きく離れているほか編成数にも余裕があるようで、他路線での定期運用のほかワンマン非対応車の代走も見ることが出来る。

 新車投入が進み、2023年4月には6801Fが本形式で初めて廃車されている。

 

6801F~6804F

6805F~6808F

6809F~6823F

6824F~6831F

6832F~6835F

6836F~6839F

1次車

2次車

3次車

4次車

5次車

6次車

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最終更新:2023/4/22

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