9500系

9500系は、2019年に登場した通勤型車両である。2015年以降製造の3300系をベースとしつつ、各部に新機軸を盛り込んでいる。

【車体・車内】
 車体は3300系とほぼ同形状で「日車式ブロック工法」によるステンレス製、鋼製の前頭部も3300系ベースながらLED化によりレイアウトの自由度が増したため「前照灯の外周を標識灯が囲む」従来に無い配置となった(標識灯は従来の緑から白に変更)。カラーリングは3300系の新塗装を基本としつつ先頭部の赤色部を拡大している。
 車内も3300系3次車以降と同様のオールロングシートであるが、配色を変更して落ち着いた色合いとしている。従来先頭車のみの設置としていた車椅子スペースはパネルヒーターと腰当てが追加された上中間車にも設けられ、当該車端部(2号車岐阜方海側・3号車豊橋方山側)は通常上方が内折れで開閉可能な側窓が固定式とした。情報案内装置は液晶式で中国語・韓国語の表示を追加し4ヶ国語対応とした。また名鉄で初めて車内防犯カメラ・扉開閉動作灯を設置したほか、通勤車では初めてフリーWi-Fiを設置。吊革・荷棚はいずれも従来車に比べ高さを低くしている。車内の詳細はこちらもご覧いただきたい。

【機器類】
 主要機器は制御装置がSiC-IGBT素子を用いた1C2M×2群のVVVFインバーター、主電動機が全閉外扇式誘導電動機(170kW)、いずれも名鉄では初採用である。機器配置は3300系同様の思想で、同系に対する3150系のような2連車も容易に構成できるようになっている。ブレーキは電気指令式で従来の3R車グループと併結しての運用が可能。冷房装置は集中式(40,000kcal/h)、台車は4000系・3300系3次車以降と同様のボルスタ付台車を採用している。

【増備と変遷】
1次車は2019年度に4編成が製造された。最初の1編成は7月に登場、各種試運転を実施した。残る3編成は10月から11月にかけ登場し、12月に入ってから順次運用入りした。2020年度には1編成、2021年度には3編成、2022年度には4編成が製造されている。
2022年度には9506F~9510Fの5編成に対しワンマン化対応工事が施工されている。2023年3月から開始される各務原線・知多新線のワンマン運転に対応し、ワンマン関連各種機器や足踏式デッドマンに加え、従来のワンマン線区には無かったホーム検知装置も設置されている。なおワンマン対応編成は下表において白太字緑地で区別している。

【運用】
 2022年7月時点では本線系に12編成が在籍し、3500系3700系3300系と共通で急行系から各支線の車掌が乗務する普通まで幅広く運用されている。また前述各形式や3100系3150系との併結運用も存在する。

1次車(2019年度製造)

9501F

9501F

9502F

9502F

9503F

9503F

9504F

9504F

2次車(2020年度製造)

9505F

9505F

3次車(2021年度製造)

9506F

9506F

9507F

9507F

9508

9508F

4次車(2022年度製造)

写真: 9509F

9509F

写真: 9510F

9510F

写真: 9511F 9511F
写真: 9512F 9512F

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最終更新:2023/2/5

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