300系は、1990年、新種別「のぞみ」で使用するために登場した新幹線車両である。100系が様々な需要に対応する車両ならば、300系は高速運転とビジネス需要に特化したような車両で、100系にあった2階建てや供色設備は一切なしというように大きな変更がいくつもある。システム面でも東海道/山陽新幹線で初めてVVVFインバーターを採用するなど、新機軸も数多く取り入れられている。 16両編成で2階建てなしのグリーン車3両というスタイルは、最新のN700系にまで引き継がれている。特に700系とN700系に関しては座席数と位置を300系と同じに配置することでダイヤ乱れ時も柔軟に対応できるようになっている。 東海編成と西日本編成に外観やシステムの違いは殆どないが、車内の雰囲気は異なったものとなっており、一番目立つモケットの違いも東海車は茶色系なのに対し西日本車はグレー系となっている。
0系の置き換えも兼ね、1998年までにJR東海が61本、JR西日本が9本、それぞれ製造した。しかし、1999年には700系が登場したこともあって2001年改正の頃から徐々に「のぞみ」運用が減少。2003年の改正では定期「のぞみ」からは撤退する。同年100系が東海道から消えたこともあり、「ひかり」や「こだま」で運用されるようになったが、臨時「のぞみ」でも活躍し、現在に至る。
JR東海のJ編成は2007年、最初に製造され試験車的な役割を果たしていたJ1編成が廃車となり、同年7月のN700営業運転開始以降は他の車両からも廃車が発生。月1本のペースで廃車になっていき、2008年度末にはN700と300系がほぼ同数になるまで減少。その後も同じペースで車両の取り換えが進み、2011年末、翌年春のダイヤ改正で300系は引退することが発表され、車体装飾なども行ってイベントを行い引退した。 なお引退する前の2011年に開館したJR東海の博物館「リニア・鉄道館」ではJ1編成(東京方)とJ21編成(大阪方)の先頭車2両を展示したが、2013年末を以てJ21編成の先頭車の展示は終了、同車は解体された。
一方JR西日本のF編成は2011年春ごろまでは全車健在だったが、JR東海から700系C編成を導入することで300系F編成を置き換えることとした。置き換えは急速に進み、J編成と同じ2012年春のダイヤ改正で運用を終了した。
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