松本電気鉄道3000系|FTN trainseat.net

松本電気鉄道3000系

写真: alm3001

松本から新島々までを結ぶ松本電気鉄道、地元輸送だけでなく終点でバスに乗り継ぐと上高地・乗鞍高原・白骨温泉など観光地へのアクセスも担っています。1986年の架線電圧昇圧と共に東急5000系が導入され活躍しましたが、老朽化に加え非冷房である点も問題となって置き換えが決定。1999年に京王3000系を改造し登場したのが3000系で、翌年には5000系全車を置き換えました。
元々5両編成と決して長編成では無い京王3000系ですが、18m級3扉と手ごろなサイズなため引く手数多で先頭車が不足。松本電気鉄道への譲渡車は全車が中間車を先頭車化したもので、本家の先頭車のリニューアル車に似せたパノラミックウインドウが特徴です。車体はステンレス製ながら全塗装しており、白地に5色の帯を入れたカラーリングは同社のバスと共通で松本市内でもお馴染み。種車は4連で登場し後年単独電動車(この車両だけ界磁チョッパ制御)を増結した比較的古いグループで、譲渡に際しては単独の電動車を生かした機器構成としたため結果的に地方私鉄では初となる界磁チョッパ制御車となったようです。

2連4編成が現在も同線の全列車に使用されていますが、制御車は既に製造から50年が経過しており置き換えの話もあるようですので記録はお早めに…


alm30-車内全景

車内全景です。基本構成は井の頭線時代のままですが座席モケットや化粧板など内装材を一式取り換えたようで、北鉄や上毛電気鉄道などに譲渡されたグループに比べると若返った印象です。

alm30-車端部

車端部は1300mmと広幅の貫通路が特徴、種車そのままですが車内収受式のワンマン運転にも好適な構造です。

alm30-乗務員室仕切

先頭車化改造を実施していますので乗務員室仕切は新設されたものですが、構成は元々の先頭車と変わらないようで狭めに見える仕切戸も同様です。京王3000系は両端の客用扉から妻面まで長いため転用先で車内収受式ワンマンを採用するには些か難がありますが、降車時の乗客の導線が自然になるよう運賃箱は客用扉寄りに設置しています。座席下の暖房は寒冷地での使用ということもあり無くす訳に行かなかったようで、運転台側は消火器置場と化しています。建造物にあるような消火器の説明書きを電車の車内で見るのは珍しいような…

alm30-運賃表

乗務員室仕切には運賃表示機と広告画面を設置、サイズの関係か運賃表示機が脇に追いやられています。

alm30-液晶モニタ

また同様の画面は一部荷棚上にもあり、同様に広告を流しています。こちらはシャープの画面にONKYOのスピーカーの組み合わせのようで、本来の放送回路とは別立てのようですね。

alm30-車椅子スペース

視線を下に移すと車掌台側には車椅子スペースを設けています。運賃箱は固定されている上に張り出した暖房装置がありますから、取り回しには苦労しそう。

alm30-扉

扉は幅1300mmの両開き。有人駅では全扉が開き、無人駅では前車両の中扉から乗車します。なお写真は制御車の様子で、後に製造された電動車の方は窓押さえが金属製になっています。

alm30-天井

天井です。写真の制御車は後年改造で冷房を搭載、一方の後年増結された形の電動車は製造時から冷房を搭載しています。

alm30-床

床はクリーム色、京王車とは異なるもののそれに準じた色合いです。

alm30-窓

窓は2段式、カーテンは巻き上げ式で4段階の調節が可能です。

alm30-7人掛け

座席は扉間と車端部の2種類、先に前者を見てみます。形式図で見ると1人辺り幅430mm強の8人掛けと言ったところでしょうか。モケットは京王車と同様の紫色のモケットですが、どうやら灰色モケットというのも存在するorしたようで…

alm30-6人掛け

車端部は6~7人掛けでしょうか、本形式はこの位置の座席が長いのが特徴です。


FTN trainseat.net>中部地方各社局に戻る

inserted by FC2 system